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【キミこそ王子だ】Vol.334「左に振れば左にいかない!」四国ジュニアチャンプがチーピンを克服した気づきとは?

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は香川県出身、徳島県の生光学園高等学校3年、岡里音さん。今年「四国ジュニアゴルフ選手権」優勝、「日本ジュニアゴルフ選手権」でも好成績を収めた注目選手の好調の秘訣に迫る。

今回の王女候補

岡 里音さん

おか・りおん ●主な戦歴/2024年四国ジュニアゴルフ選手権優勝 ●ベストスコア/66(エリエールGC香川) ●練習/毎日2時間(200~300球) ●トレーニング/週2回学校から練習場まで7キロ弱ランニング、ウェイトトレーニング


父の影響を受け小1でゴルフを始めた岡里音さん。香川県の出身だが、高校はゴルフ部に力を入れている徳島県の生光学園高校に入学し寮生活をしている。

今年の「四国ジュニアゴルフ選手権」で優勝すると、「日本ジュニアゴルフ選手権」でもトップ10に入り波に乗っている彼女。練習場で里音さんの球を見た武市も「いい感じだね~」と目を細めた。

「ありがとうございます。ときどき出るチーピンに悩んだ時期もありましたが、最近はちょっとだけコツをつかんだ気がします」


「どんなコツなの?」

「体の左サイドに振ることができれば、球は左に行かないことが分かりました。なので、ダウンスウィングで左ひざを伸ばし腰を切ってスペースを作り左に振り抜く、そんなイメージで振るようにしたら、球が安定するようになりました」

「素晴らしい! 普通、左サイドに振ると球が左に行くと思いがちなんだけど、里音ちゃんの言う通り、フックをさせないためには左サイド、要は体の内側にクラブを振るのが正解なんだよね」

「左に振ると余計に左に行きそうで、怖くてできませんでした。でも、間違っていることに気付きました」

「めちゃいい発見じゃん! 自分で考えて自分で気付きを得る。これが大切だと思うよ」

さらに里音さんは、女子ツアー屈指のショットメーカーである古江彩佳プロの動画にインスピレーションを受けスウィングのリズムも改善。

「悪いときはリズムが速くなるので、気を付けています」

「特に切り返しで急ぐと、上半身が突っ込んで小手先で打っちゃう。でも、今はトップに少し間があるから下半身から回転できている。そうすると、手を体の内側から下ろしやすく、さらにフォローでも体の左サイドにスペースが生まれるから、インサイドイン軌道となる。悩みのチーピンも克服でき、ドライバーの精度も上がったわけだ」

「打ち急がずに左に思い切り振り切る! 今のところ、これが自分なりの解決方法です」

「『思い切り振る!』は、ゴルフの神髄でしょ。ビクビクして振ると余計に球は曲がるし、第一楽しくないもんね。今日見た感じだと里音ちゃんは、すごく気持ちよさそうに振ってる。これこそが好調の理由だと思う」

「ありがとうございます」

以前は、あまり考えずにゴルフをしていたが、最近はちょっとずつ、いろんなことを考えられるようになったという里音さん。

「料理はちゃんと計量しますが、ゴルフは意外と適当でした(笑)。あと、ミスが続くと気持ちが途切れてしまうところもあったり」

そのあたりも反省して自分なりに直すようにしたところ、最近は成長を実感しているという。

「高校を卒業しても徳島に残り、プロを目指してがんばります」

「急ぐ必要はないよ。その調子でがんばれば、絶対に夢は叶うはず」とエールを送る武市であった。

週刊ゴルフダイジェスト2024年10月1日号より