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【キミこそ王子だ】Vol.332 テンフィンガーで、右手の握りが超独特! 九州屈指の実力を誇る兄弟

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は、九州地区の強者兄弟。福岡県・沖学園高等学校の大地悠遥くん(高3)と弟・陸遥くん(高2)だ。注目はなんといっても、見たことのないような個性的なふたりの手元!!

今回の王子候補

大地 悠遥くん(兄・写真右)

おおち・ゆうと ●主な戦歴/九州・沖縄高等学校ゴルフ選手権新人戦優勝 ●ベストスコア/65(玄海GC) ●練習/毎日2時間150球 ●トレーニング/部活でランニング2キロ

大地 陸遥くん(弟・写真左)

おおち・りくと ●主な戦歴/2024全国高等学校ゴルフ選手権春季大会2位タイ ●ベストスコア/64(鹿児島空港36CC) ●練習/毎日1.5時間150球 ●トレーニング/部活でランニング、坂道ダッシュ


大地兄弟は父のすすめで、兄が小2、弟が小1のときにゴルフを始めた。

師匠は、時松隆光プロも師事している九州ではおなじみの「桜美式ゴルフ」の篠塚武久さん。ということで、ふたりはそろって生粋の10フィンガーグリップだ。しかし、カタチが少し違うのだ!

「ふたりともアレンジ型の10フィンガーだね。お兄ちゃんは右手の人差し指を伸ばしていて、弟くんは右手の人差し指と中指で挟んでいる。まるでカブトムシとクワガタのツノだね(笑)」


「最初は普通の10フィンガーでしたが、試行錯誤してこのカタチになりました(兄・悠遥)」

「フェースがねじれないよう、腕力を抑えるのが目的です。一番器用な右手の人差し指が、鈍感になるようにこうしています(弟・陸遥)」

「本来、10フィンガーはフェースローテーションが効きやすい握り方。でも、ふたりはフェースローテーションを入れずに方向性を重視しているのが特徴。そのため右手が邪魔をしないようあえて不自由なカタチにアレンジしているけど、感性はちゃんと生きている。ふたりともカタチは違うけど、敏感な右手の人差し指がセンサーとなっているのが共通。そこでフェース面を感じとり、スクエアにインパクトするよう管理しているよね」と武市。

大地悠遥くんのスウィング

大地陸遥くんのスウィング

さらに兄は「右手で叩きにいかないよう、短いクラブを振っているイメージを持つ」と言い、弟は「手を使いたくないので、とにかくリズムに集中して打っている」と言う。

「お兄ちゃんは左ひじを体側につけてちょっと上からクラブを入れるからフェード、弟くんは体の高速回転で打つからナチュラルなドロー。でも、ふたりとも腕や体を歪めない打ち方に徹している。一見、変わったグリップだけど、すごく理にかなっているし、左親指に圧力がかからないから指を痛めにくい。ボクも生まれ変わったら10フィンガーでゴルフを始めたい」と語る武市。

今後の展望を尋ねると

「まずは大学に進学しツアーで生き残れるプロになる力をつけたいです(兄・悠遥)」

「高校卒業したらすぐプロテストを受け、将来は世界で活躍したいです(弟・陸遥)」

「やっぱり長男は堅実で次男は奔放やね(笑)。きっとお互いのよい部分が刺激となって、今後ますます成長するに違いない。プロでの兄弟対決も楽しみだな~」と期待を膨らませる武市であった。

週刊ゴルフダイジェスト2024年9月3日号より