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【ギア選びのウソホント】Vol.192 デシャンボーの5番アイアンが17度な理由

「キング・オブ・試打」としてお馴染みの堀越良和プロが、長年の知見から、ギア選びの際に重視すべきポイントや注意点をわかりやすく解説!

前回のお話はこちら

先日の全米オープンで優勝し、間もなく始まる全英オープンでも注目のB・デシャンボー。全米オープンの練習ラウンドの配信映像で、彼が語っていたアイアンの話は非常に興味深いものでした。3Dプリンターを使って作られ、設計の自由度が高いと言われているデシャンボーのアイアンセット。6Iの長さに揃えた“ワンレングス”なのは、ご存じのとおりです。PWのロフト角が40度で、5Iのロフト角は、なんと17度!「ロフトが立っているから、あれだけ飛ぶんだ」と思ってしまうかもしれませんが、このロフト角の意図は、飛距離というよりも、スピンコントロールを重視したものだと思います。

たとえば、ロフト角34度の7Iの適正スピン量は5500~7000回転くらい。適正な弾道の高さと、ボールが止まる落下角度を確保できるバックスピン量といえます。ところが、“尋常ならざる”ヘッドスピード&ボール初速を持つデシャンボーの場合、ロフトが寝ていると、とてつもなくスピン量が多くなって、“フケ球”になってしまいます。「5Iで4000回転台にスピン量を抑えたいがためのロフト角17度」と語っていたデシャンボー。彼のスピン量は“規格外”ですが、スピンコントロールとロフト角の関係は非常に大事なものなのです。

堀越良和

ほりこしよしかず。週刊ゴルフダイジェストで試打レビューを続けて約四半世紀の「キング・オブ・試打」

週刊ゴルフダイジェスト2024年7月23日号より