【ゴルフの急所】Vol.3 良いアドレスとは「いつでも動き出せる」構え
TEXT/Toshiyuki Funayama PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/六甲国際GC
30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。
ゴルフ歴20年ですが、いまだに100が切れません。ひと皮むけるためには何が必要でしょうか。(東京都・田中雄一さん・48歳)
バランスの良いアドレス
取れていますか?
ボクがゴルフを本格的に始めたのは30歳になる直前ですが、学生生時代には野球の練習の一環のような感じで、打ちっ放し練習場でたまにボールを打っていました。初ラウンドは社会人になってからですが、たしかスコアは105ぐらいだったと思います。その後すぐに90台が出て、また100を叩いたりということもありましたけど、1年以内には70台が出せるまでになっていました。
だから、ボクは“100の壁”にぶつかったことはないのですが、短期間でとんとん拍子にスコアアップできたのは、学生時代の野球や空手、ビリヤードなどの経験が大きかったと思います。いろいろな競技をやってきて思うのは、何をやるにしてもやっぱり基本が大事ということです。
止まっているボールを打つゴルフの場合、ショットの成否はほとんど打つ前の構え、つまりアドレスの段階で決まっているといっても過言ではないでしょう。ボクが考える“良いアドレス”とは、いつでも瞬時に動き出せるような、バランスの整った構えができていることです。バランスが悪いと動き出すのに時間がかかって、スムーズにスウィングを始動することができないし、再現性の高い動きもできません。
試しに、その場で軽くジャンプしてみてください。地面にドンッと着地したときの体勢が、前後左右にバランスが整った状態です。おのずと重心が下がり、そのままクラブをセットすれば、下半身の安定したアドレスが完成します。あれこれスウィングをいじる前に、まずは基本中の基本であるアドレスを見直してみましょう。
ここでひとつポイントになるのは前後の体重配分です。たとえば、ボクは足の土踏まずからほんの少しかかと寄りに重心を置いたほうが、バランスよく構えられて安定するんです。これは人それぞれで、ほんの少しつま先寄りに重心を置いたほうが安定する人もいます。ジャンプして地面に着地したときも、自分がバランスの取りやすい場所に自然と重心が乗るはずです。
ボクは以前から、ゴルフを教わりたいというアマチュアの人を集めて、地元の神戸で定期的に無料の練習会を行っているんですが、そのタイプによって教え方も変わります。前後の体重配分を微妙に変えて素振りをしたり、ボールを打ってみて、自分がもっとも動きやすいと感じる重心位置を探すといいでしょう。アドレスのバランスが良くなれば、芯に当たる確率がアップして、100を叩くようなミスも出なくなるはずです。
ジャンプして着地すると
最も安定する重心位置がわかる
「反り腰」「落ち腰」に
なっていないかチェック
月刊ゴルフダイジェスト2021年4月号より