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【江連忠のPROJECT E】Vol.248 青木功「個性的だがクラブさばきの上手さは唯一無二」

片山晋呉や上田桃子など、数多くのトッププロを世に送り出してきた江連忠が、自身の経験をもとに、レジェンドのスウィングに宿った“本質”を語る!

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroshi Yatabe、小社写真部 THANKS/オーシャンリンクス宮古島

前回のお話はこちら


●今月のレジェンド●

青木 功

1942年千葉県生まれ。メジャー13勝を含む国内51勝(賞金王5回)。PGAツアーで優勝した初の日本人であり日米欧豪の4ツアーで優勝。日本人初の世界ゴルフ殿堂入りを果たした。8年務めたJGTO会長職を3月で退任


確かな基礎と感性を
両立させていたから強い

前傾角が深くて背中が丸まったアドレスなので個性的な印象がある青木さんですが、動き出すとそのクラブの動きはきれいなプレーンを描いています。

遠心力を生かしてヘッドが鋭く走っているし、やはり一流選手らしく理に適っています。


とくに頭が上下左右にほぼ動かないくらい軸がしっかりしていて、その不動の軸があるからこそ手首や腕を柔らかく使いながらヘッドを走らせることができる。

この部分は力がないアマチュアがヘッドスピードを上げるためにとても参考になります。

参考になる部分は多いのですが、誰にも真似できなかったのが打点を変えることで「7色の球を操る」と言われていた技術です。

昔も今も球筋は軌道とフェースの向きによってコントロールするのが一般的ですが、青木さんは違いました。

指先のトレーニングを欠かさずに手指の繊細な感覚を研ぎ澄まして打点を変えることによって自由自在に球を曲げたりしていました。感覚的にクラブをさばく職人のなせる技です。

腕を脱力すれば遠心力が生かせる

青木本人は「左手小指をギュッと握る」と言っていたが、それは左小指を支点にして振っていたから。アマチュアの場合は全部の指で強く握って腕も力むためヘッドが走らない

青木の系譜を継ぐのはこの選手

星野英正

手首の柔らかさでヘッドを走らせる
ダウンスウィングでのタメが深く、そこからヘッドが加速してフォローでヘッドが大きく手元を追い越していく。星野は、このヘッドを走らせる技術は青木と同等で、さらに全体の形をきれいに整えた改良版という印象

江連忠

江連忠

1968年生まれ。東京都出身。高校を卒業して渡米し、ミニツアーを転戦しながらジム・マクリーンに師事したのち帰国。日本のプロコーチ第一人者となり、片山晋呉や上田桃子を賞金王に育て上げた

月刊ゴルフダイジェスト2024年6月号より