【左腕リードで飛ばす】#3 “脳”が右手優位を助長する…「日常から意識して左手を使いましょう」
左腕リードの重要性を頭では理解できても、実際にクラブを振ると、つい右手が強くなってしまう。左腕を上手く活用するためのコツを、脳科学の観点から紐解いてみた。
PHOTO/Takanori Miki、Hiroaki Arihara、Shinji Osara、Yasuo Masuda THANKS/坂出カントリークラブ、井山ゴルフ練習場、よみうりゴルフガーデン
解説/篠原菊紀
しのはらきくのり。脳科学者。公立諏訪東京理科大学情報応用工学科教授。「学習時」「運動時」など日常的な場面での脳活動を研究。テレビやラジオなどメディアにも多数出演
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普段から意識して
左手を使おう
左腕の動きがわかっても思ったように動かない。それは“右利きだから”ということも要因のひとつだろう。「脳の仕組みからすると、ある程度は仕方のないことです」と言うのは脳科学の専門である篠原菊紀教授。
「右利きの場合、左手はとくに意識をしないと、脳の構造上右手の動きに引っ張られてしまいます。日常で右手を使うことが多いため、脳の運動をコントロールする部位(運動野と体性感覚野)の左側の動きが常に活発になっているんです。逆に左手の動きを司る右脳はあまり働いてないというわけです。でも、だからと言って諦めることはありません。単純に左を使うようにすればよくて、お箸を左手で持ったり、スマホを左手で持つなど、日常でできることで十分。どんどん右脳が活性化されて、左腕が動きやすくなりますよ」
右利きの人は、日常から右腕を使うことが多いため、左の脳にある動きをつかさどるための「運動野」と、「体性感覚野」という部位が多く働いている。そのため、スウィングのように左右同じ動きをしようとした場合、いつも使っている右腕が強くなり、いわゆる「右手が勝つ」状態になりやすい。
日常で左手を使うだけでも変わるんです!
スマホを使うのを左手にしたり、ボタンを押す、扉を開けるなど、普段利き手で行っている動作を意識して左でするだけで、右脳の運動野を活発にすることができる。日々やっていると徐々に感覚が変わってくる
左を動かすための意識付けとして、左腕の使い方の映像を見たり、その真似をするのも効果的。イメトレや左の筋肉を動かす意識をするだけでも、右側の脳が使えるようになり、左右独立した動きができる手助けになる
左利き右打ちのトップ選手は多い!
トップ選手には意外と左利きで右打ちのプロゴルファーも多い。左手の動きが重要ではあるものの、右利きでは上手く左手を扱えないが、そもそも左利きであれば左を上手に扱えるということ。だから左利きで右打ちのゴルファーは上手くなると言われているのだろう
月刊ゴルフダイジェスト2024年6月号より