【只今コージ中!】Vol.120 ロングドライブも快適そのもの! レクサス初の本気EV「RZ」のデキが凄かった
ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第120回はレクサス「RZ」の実力をチェック!
PHOTO/Hirohiko Mochizuki THANKS/カメリアヒルズCC
なにかと話題の電動化。「EVで出遅れてる」と言われがちなトヨタですが小沢の見立てではレクサスは別。2年前の「2035年全車BEV化宣言」に、先日もイチからBEV専用に新開発したSUVを遂に発売! それがこの新型RZ。
全長4.8m強のビッグサイズはもちろん全体的な造形もガソリンエンジン車のレクサスRXに似てますが、骨格はEV専用のe-TNGAプラットフォーム。全高が約6cmも低くスポーティで、スペース効率から作りまでかなり違います。
フロントからボディは彼らが「スピンドルボディ」という造形で、RXとは違いフロントグリルに空気冷却用の網がありません。ツルッと滑らかな塊感で、エジプトのツタンカーメンのマスクのよう。
インテリアも14インチの巨大なセンターディスプレイとフルデジタルのメーターを採用。ここまではRXと似てますが、インパネ造形、ドアトリムとひとクラス上の印象。マテリアルも違います。
室内スペースも広大で、身長176cmの小沢が座っても特にリアシートはヒザ前が余裕。床下もフラットで乗りやすい。唯一残念なのがラゲッジで容量522L。屋根が低いせいか600Lを超えるガソリン車のRXほど広くはなく、キャディバッグは3本が限度。
その分走りの良さは別格で、小沢的にはSUVの枠を超え、レクサスセダンを超えるレベルの絶対的滑らかさと上質感を実現。駆動をフロント150kW、リア80kWのパワフルな前後モーターで行うだけでなく、独自の「DIRECT4」なる制御技術でコントロールし、とにかく動きがナチュラル。最近、EVというと極端に出足が良かったり、首が痛くなるほどの加速度を見せるクルマもありますが、RZは真逆。あくまでも自然で疲れず、それでいて速くてキモチいい。敢えて言うならばメチャクチャ旨い真水のような走り味なのです。航続距離はWLTCモードで494kmなので実質400km前後。
これなら遠めのゴルフ場までのロングドライブも全く疲れず、なおかつキモチよく行き帰りできます。唯一の問題は現状880万円を超える価格ですが、実は最初にEVを買うのはお金持ちです。まずはお金持ちウケするEVを作ったものがEVビジネスの第一ラウンドを制するのです。RZは本当にリッチマンに刺さるのか? それは乗ればわかります。
(左)ラゲッジ容量はRXと比べれば小さいが、522Lとなかなか。横幅もあり、キャディバッグを3本積載はラクラク/(右上)クルマを意のままに操る喜びを体験してほしいという思いを込めて開発した新しいコックピット設計「Tazuna Concept」/(右下)デザインから骨格までオールEV専用設計
レクサス
RZ 450e “version L“
全長×全幅×全高/4805×1895×1635mm
メーカー希望小売価格/880万円~
週刊ゴルフダイジェスト2023年12月12日号より