【キミこそ王子だ】Vol.311 長身を生かした美スウィングで250Y超!「世界で活躍するプロ」を目指す期待の女子中学生
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は東京都出身、練馬区立石神井中学校3年の戸髙玲奈さん。恵まれた体格を生かしたパワフルなスウィングで、中学女子トップクラスの飛距離を誇る。その秘訣を武市が解説。
今回の王女候補
戸髙 玲奈さん
とだか・れいな ●主な戦歴/2023ゴルフダイジェストジュニア12~14歳の部優勝 ●ベストスコア 66(ロックヒルGC) ●トレーニング/週2回ジム、縄跳び、坂道ダッシュなど ●練習/家でパター20分、練習場で1時間150球
戸髙玲奈さんはゴルフ一家の長女。両親ともにゴルフが大好きで、特に父親は高校時代アメリカでゴルフを学んだ筋金入り。おのずと、玲奈さんと小6の弟もゴルフを始め、いまは家族4人でゴルフ中心の生活を送っている。毎日のスケジュールは次の通りだ。
5時半に起床し、パター担当コーチの母親と20分パター練習。6時からはショット担当コーチの父親と30分、庭でアプローチや素振りをする。その後、体幹トレーニングなどを軽く済ませ朝食。15時過ぎに学校から帰ると、4人一緒に車で50分ほどの練習場へ。1時間ほど球を打ち、また50分ほどかけて帰宅。20時30分に夕食。休日はこれまた4人でゴルフ場へ行き、アプローチなどを中心に4~5時間みっちり練習する。
そんな努力を、着実に成果につなげている玲奈さん。スウィングを見た武市は大いに感心した。
「めちゃくちゃ飛ぶね! 中学生女子では間違いなくトップクラスだよね」
ドライバーの飛距離は軽く250ヤードを超えている。
「どうしたら、そんなに飛ぶの?」
「普通に打ったら飛びます(笑)」
確かに、170センチ以上の高身長なので普通に打ったら飛ぶというのも納得だが、それを最大限に生かせるか否かは、その人の技量だと武市は言う。
「飛距離を出すことにおいて高身長は圧倒的に有利。トップが高いぶん、クラブの落下速度を生かせるからね。でも、背が高い人が全員飛ばし屋かといえば、そうではない。やっぱり、それなりのコツや技術が必要。玲奈ちゃんは下半身のどっしり感がハンパない。スタンスを広くして、アドレスからインパクトまで両ひざの高さ、そして右足首の角度が変わらない。
さらにクラブと体がスウィング中、同調しているのがいい。玲奈ちゃんは、上からクラブをズドンと落とした後、左の肩口にクラブが抜けていく軌道なんだけど、このとき、クラブが体から離れず同調しているところが素晴らしい。パワーフェードの極みだね!」と絶賛した。
アベレージゴルファーは、球を曲げたくない一心で、インパクト後、目標方向にフェースを真っすぐ出しがちだがそれは間違いと武市。体は左に回転していくのに、フェースを真っすぐ目標方向に出したら、どんどん体とクラブが離れてフェースが開き、飛距離、方向性、再現性ともに下がってしまう。「曲げたくないなら、玲奈ちゃんのように体とクラブを同調させるべし!」と力説する。
「技術もさることながら、これだけパワーのある中学生女子はなかなかいないよ」
「ありがとうございます」
「脚が長いだけでなく、しっかりしてる。もちろんほめ言葉だよ」
「トレーニングもがんばってますし、プロテインも飲んでます」
週2回のジム、そして縄跳びや坂道ダッシュ、スクワットなども行っているそうだ。
将来の夢は「世界で活躍するプロ」とのことだが、「心技体すべてにおいてポテンシャル十分!」と太鼓判を押す武市であった。
週刊ゴルフダイジェスト2023年10月17日号より