【只今コージ中!】Vol.115 映える! 走れる! 欲張り過ぎるクロスオーバー! プジョー「408」
ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第115回はプジョー「408」の実力をチェック!
PHOTO/Hirohiko Mochizuki THANKS/加茂ゴルフ倶楽部
最近「クーペの美しさにワゴンの利便性」やら「セダンの使い勝手にオフローダーの走破性」など1粒で倍のおいしさを味わえるクルマが増えています。いわゆるクロスオーバー、境界を超えて交じり合う欲張りなクルマたちですが、ここに来て2倍3倍どころか4倍おいしいかもしれないモデルが登場しました。
その名はプジョー408。かつては中国向けなど新興国向けの車両に使われていた名前ですが、ここに来て欲張りすぎる新ジャンルカーを表す車名となったのです。
プジョー的にはファストバック=ハッチバックとSUVを合体させたクロスオーバーということですが、小沢から見るとほかにも要素が入りやや難解すぎるかも。
デザイン的にはいいとこ取りでフロントマスクは、まさに最近のプジョー! にらむようなLEDライトとナナメバーを多用した吠えるようなライオンマスク。押し出しは強く、このインパクトが気に入ったら間違いなく買いです。
ただし408はそれだけじゃなく、リアからは一瞬クーペにも見えるスポーティフォルムで、SUVらしからぬムード。それでいてボディサイズは同じプラットフォームを使うシトロエンC5Xより105mm短いこともあり、ワイルドなSUVというより新ジャンルの4ドアクーペのようで独特のエレガントさが味わえます。かたや全高は1500mmと高すぎず低すぎずの日本の立体駐車場に余裕で入るサイズ。肝心のラゲッジスペースは454Lあるものの、横幅狭めのフランス車らしく、キャディバックが真横に積めず、2本積載にはリアを倒す必要が。
走りも予想を上回る出来で、パワートレインは1.6L直4とモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドと1.2L直3ターボの2択。欧州車自慢のディーゼルが選べないのは残念ですが、今回乗ったプラグインモデルは余裕の走り味。システム出力は225psと力強いうえ、フル充電状態から60km程度EV走行が可能で静かかつ上質。燃費も乗り心地も悪くなく、見事にイマドキな走り味。
正直、頭の硬い人には「クーペなのかワゴンなのかハッチバックなのか、押し出し自慢のスペシャリティカーなのかハッキリしろい!」と言われそうですが、この欲張りっぷりこそが408のキモ。ジャンルにとらわれず、イイモノはイイと言えるアナタにオススメです。
(左)ラゲッジスペースは454Lと広大だが、横幅が狭くキャディバッグは入りにくい。2人で行く場合はリアシートを倒すのが正解/(右上)助手席との仕切りがあり、コックピット感がしっかり得られるモダンな運転席/(右下)新ジャンルの4ドアクーペのようで独特のエレガントさを持つ
プジョー
408 GT HYBRID
全長×全幅×全高/4700×1850×1500mm
メーカー希望小売価格/629万円~
週刊ゴルフダイジェスト2023年10月3日号より