パターのサイトラインが気になってしまう。上手く消す方法はある?
ILLUST/Kochi Hajime
東京下町でゴルフ工房を営む店主がギアに関する悩みに答える連載「頑固オヤジのクラブ工房」。今回のお悩みは「サイトライン」について。
Q.サイトラインが邪魔!
どうすれば消せる?
最近イップス気味だったんですが、ショップでサイトラインのないパターを試したらスムーズに打てました。愛用のパターのサイトラインを削るとか塗るとかで上手く消す方法、ありませんか? ( 49歳・HC9・自営業)
ヘッド軌道のブレが目に入る
「パターのサイトライン、消せませんかね、オヤジさん?」
新年早々、常連さんが持ってきたのはマレット型パター。フランジの部分に、白いラインが1本入っている。
「このくらい、気にしなければいいんじゃねえの」
「いや、最近イップス気味で……。ストロークすると、このサイトラインが波打って見えて、どうにも打ちづらいんです。で、この間、ショップで似た形のパターを試打したら、すごくスムーズに打てて。それにはサイトラインが入ってなかったんですよ」
「だったら、そのパターを買って使ったらいいだろ」
「でも、このパターに愛着があるというか……。それで、サイトラインだけ上手く消せないかな、と。溝になっているので、塗料で埋めるとか、削るとか、何かいい方法、ありませんかね?」
塗料を重ね塗りしても、ラインは浮き出てくる。溝内の塗料を落としても、ラインの型は残る。
「かといって、溝ごと削るのはナンセンス。見た目の印象も変わるし、ヘッド重量だって微妙に変わるからな。それなら、薄い鉛テープでも貼ってごまかすほうがいいけど、それでも重量は変わっちまうよな。パターだけに、フィーリングにも影響するだろうし」
「じゃあ、どうすれば?」
「文房具屋で売ってる、シールがあるだろ。ちょっとそれで試してみようか」
気にならない見え方を探す
「シール……って、どういうことですか?」
「要はヘッドの見た目を変えたいんだから、まずカンタンにいじれるもので工夫するんだよ。用意するのはテープ状の物と丸いドット状の物。大きさが違うのをいくつか使えるといいな」
一番カンタンなのは、サイトラインのある面全体をシールで覆うやり方。黒とかグレーとか、濃い色がベターだろう。
「ただ、フランジがのっぺりして見えたり、マレットの感じが薄まってみえて、違和感が出るかも。だから、1センチ幅ぐらいのテープをラインと直角にタテに貼ったり、丸いシールをいくつか散らしたりするほうがいいかもしれない。それに、サイトラインを潰したら芯の打点がわかりにくくなるかも。そんなときは、フェースの上のブレード部分に直径5mmぐらいのドットシールを貼ればいいよ。まあ、遊び心も込めていろいろ試してみるんだな。費用は小銭で済むはずだし」
「ウーン、なるほど。シールなら重さ、変わらないですね」
「で、気に入ったデザインが決まったら、シールじゃなくてペイントにする。コースで使って、はがれると困るからな」
これなら、気が変わったら元に戻すのもカンタン。ペイントでも溶剤で落とせるしな。
ラインと平行のサイトラインてのは意外と難しいんだよ、ヘッドが動くとさ。そのラインどおりヘッドを動かそうとして、手が震えたりね。そんな人にオススメなのは、フェースと平行な、ラインに直交する“面のライン”を増やすこと。さっき、テープをタテに貼ると言ったけど、ボールのロゴなんかもタテに置くと、フェースをスクエアに構えやすくなる。
ピン型のパターのブレードを黒く塗って、太陽光の反射を防ぐ方法があるけど、その際にブレードの両サイドを2ミリずつぐらい残すと、2つのタテのラインができる。そのラインを使ってスクエア感を増す、なんて手もあるよ。
月刊ゴルフダイジェスト2021年3月号より