【只今コージ中!】Vol.112 キャディバッグ積載2本はご愛嬌! 新サラリーマンの憧れBMW・新型「X1」
ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第112回はBMWの新型「X1」の実力をチェック!
PHOTO/Akira Kato THANKS/森永高滝CC
かつてサラリーマン憧れのBMWは3シリーズセダンでした。しかし、今や流行りのSUVでなおかつ日本ジャストサイズのコレ、新型X1でしょう! 車名の通り、BMWが出すSUVシリーズの中では最小のモデルで、最初は“入門用BMWSUV”という位置付けでした。
しかし今年デビューの3代目は違います。サイズ感、クオリティ、価格感のどれをとってもかつての3シリーズ並みかそれを超えるレベル。すっかり初心者向けのイメージが消え去っているのです。
まず驚くのはサイズを感じさせない押し出し感。四角いフロントノーズ周りはもちろん、なんといっても上級SUVを食う超ビッグサイズなキドニーグリルが効いてます。マジメにパッと見の存在感は初代X5に負けないレベル。
それでいてボディサイズは全幅こそ1.8m超えですが、全長は4.5mジャストと扱いやすく、まさにBMW流の“顔”デザインマジック。アルミ調の装飾も効いていてリッチ感も十二分にあります。
一方サイズから考え、室内はそれほど広くないかと思いきや、最新BMWミニと共通の新世代FFプラットフォームを採用。おかげでスペース効率は良く、フロントに身長176cmの小沢が座った状態でリアはゆったり座れ、その状態でのトランク容量も540Lと広大。残念ながら横幅狭めでキャディバッグの積載は2本でしたが収納力はワゴン並みです。
最後に気になるのは走り味で、基本3シリーズはハンドリングの良さが自慢のFRプラットフォームを踏襲し、一部シルキースムースな6気筒エンジンも選べましたが、新型X1はFF。エンジンも今回乗った2L直4ガソリンのほか、マイルドハイブリッド付きのディーゼル、今後追加されるフルEVしか選べません。
しかし今回乗ったガソリン車が予想外に楽しくてナチュラル。204psに300Nmの強力なパワー&トルクもさることながら、FFとは思えない新鮮なステアリングフィールが得られます。
その昔、本格BMWはFRの3シリーズ以上、SUVのX3以上を指しましたが、今やFF&FRの壁はほぼありません。唯一気になるのは価格で、現状500万円台後半。しかし、スタイル、インテリアクオリティ、走りはかつての3シリーズレベル。もはや昔の常識に縛られている時代ではないのかもしれません。
(左)ラゲッジ容量は540Lと広大だが、キャディバッグの積載は2本。リアシートは3分割可能なので、3人で行くときは端のリアを倒そう/(右上)メーターとセンターディスプレイを曲面パネルで連続させた「BMWカーブドディスプレイ」が配されたインパネ/(右下)横長のテールランプやドアハンドルは突起や段差をなくしたフラッシュサーフェス化
BMW
X1 xDrive20i xLine
全長×全幅×全高/4500×1835×1645mm
メーカー希望小売価格/586万円~
週刊ゴルフダイジェスト2023年8月15日号より