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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.77 残り距離もラインも見た目でジャッジ!

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

初対面の人に、いきなり身長や体重を聞く事はまずない。それでも、パッと見みれば、背が高いか低いか、太っているか痩せているかは、だいたい判断つく。人間の目測力は優秀なのだ。

ボクは、そんなすばらしい能力をフル活用し、コースでも見た目ですべてを判断している。どんなコース行っても、グリーンまでの距離やハザードまでの距離をキャディさんに聞くことはない。ヤーデージブックを見ることも、ほとんどない。ピンポジションの紙を見る場合も、単にピン位置が手前か奥かを確認しているにすぎない。エッジからの正確な距離を知りたいわけではない。パターが嫌いじゃないので、まぁ、そこさえ間違わなければ、2パッドで収まるからスコアに大きく影響することはない。

グリーン上も同じ。傾斜、ライン、順目か逆目か、すべて見た目勝負だ。一応、4方向から確認するけど、緑色が濃ければ逆目で重いし、白っぽくなっていれば順目で速い。そんな程度で十分だ。だから、プレーもめっちゃ早い。ひとりなら歩きでもハーフ90分もかからんと思う。

友人には「もっとゆっくりせんか」と言われるけど、自分ではぜんぜん急いでいるつもりはなく、これが心地よいリズムなのでしょうがない。せっかちとは違う。その証拠に、プレーが遅い人と回ってもまったく気にならず、むしろ「焦らず、ゆっくりやってね~」と思うタイプだ。

もちろん、キャディさんに距離を聞いたり、ヤーデージブックで確認したりすることが悪いわけではない。ただ、しなくて済むなら、それに越したことはないと思うから、ボクはしないだけ。特殊能力なんか必要ない。残り距離なんて、その気になれば、誰でもだいたいは見当がつくようになるのだ。僕も長年かけて訓練した。

人が素振りを考えている時間や歩いている時間を利用して、距離や状況ジャッジし、素振りまでを終える。自分の打順がきたときは、構えて打つだけの状態にしていることを、意図的に習慣化させたのだ。
ミスしたときも、反省して素振りをしたくなることもあるけれど、そんな暇があるのだったら「あの辺に飛んでいったから、次はこう打とうかな」と状況判断するようにした。

林に打ち込んだときは現場まで行かないと状況がわからないことがある。しかし、それも含めて考えておくのだ。グリーンを狙える場合はこうしよう。狙えない場合はこうしよう。最悪テークバックできない場合はこうしようと、現場に行くまでにいくつかのパターンを想定しておく。そうすれば、慌ててクラブを取りに行くこともないので、落ち着いてショットができる。それが習慣になると、次第にプレーに余裕が生まれ、ショットそのものもよくなってくるのだ。みなさんも見た目勝負でラウンドして。距離を事細かにチェックしたときとスコアは大差ないはずだし、慣れれば絶対にプレーしやすくなる。

練習場で球を打つのもいいけど、コースで状況判断や考え方を鍛えるのもまた練習。スコアアップを目指すなら必須だよ。

見た目だけでプレーすると、プレーが早くなるだけでなく、気持ちに余裕が生まれショットも安定する。ショットとショットの間に、次にやるべきことを考えておこう


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2018年7月17日号より