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【スウィング改造】大MOI時代はドライバーでスウィング作り③ 伊澤利光プロの大型ヘッドドライバー克服史

「大きなヘッドに慣れるのに4、5年はかかった。正直350ccで限界だったよ」と、大慣性モーメントの大型ヘッドドライバーで苦労をしてきた伊澤利光プロ。伊澤プロ自身のドライバー変遷を見ながら解説してもらった。

「開閉しない振り方」にやっと慣れてきた

GD 伊澤プロは以前から460ccへの対応が難しかったと語っていましたが…。

伊澤 ヘッドサイズ300ccくらいまでは長さ44インチ以下でしたし、ヘッドサイズ的にも、それまでと違う変な挙動というか、暴れる動きを感じることはなかった。あやしくなってきたのは350ccくらいから。400cc、45インチ時代になったら、いよいよ感覚と実際の挙動に違いが出てきて、フェース面がどこを向いているか、わからなくなっちゃったんですね。

350cc以下のドライバーで2度の賞金王獲得、伊澤利光プロ

GD よく言われるのは、今のドライバーは、一度開くと閉じにくいということですが。

伊澤 そこが悩んだ部分。PGAツアー選手たちの動きを見るとわかるんですが、ダスティン(ジョンソン)と(ブルックス)ケプカは完全にシャットだけど、(ローリー)マキロイはシャット過ぎないでしょ? マキロイはそれで右にすっぽ抜けることがあるから、基本的にはつかまりにくいし、フェースの開閉は少ないほうがいいとは思いますけど。

伊澤利光プロ
2001、03年の日本ツアー賞金王で、01年にはマスターズで4位に入った。現在はシニアツアーで活躍中

GD それ以前の、開閉を使ったスウィングとは、全然、感覚が違いますよね?

伊澤 私たち世代の振り方だと、どんなに開閉を抑えてもつかまっちゃうんですよ。今の世代の人たちは、振り方が違うからつかまらない。ダウンスウィングが始まったら、しならせずにグイッと下ろしてポコンみたいな。こちらは、しならせて、タメて、走らせてバーンだから、460ccだと「おつり」がきて、返りすぎちゃうんです。

学生時代までは当然、パーシモンを使用。メタル以降は1995年頃から

GD 今やっと慣れてきた?

伊澤 シャットに上げて、切り返しから少しシャロ―に下ろす感じ。(ホン)ラームみたいに、手が体の近くを通るといい。今はやっと真っすぐ飛ぶようになりましたよ。

フェースがどこを向いているかわからなかった

【大型ヘッドの対応ポイント①】ハーフウェイバックでシャットに上げること

テークバックでクラブが地面と平行になる地点では、少なくとも上体の前傾の角度と同じだけ、フェース面が下向きになっている必要がある。

【大型ヘッドの対応ポイント②】少しフックグリップにし開閉を抑えたスゥイングに

左手を少しだけフックグリップにすることで、ナチュラルにシャットに上げやすくなる。伊澤プロは、右手の握り方はスクェアのままにしている。

今シャットにしてからすごく調子がいい

どう振ればいいか、頭ではわかっていても、試合で違和感なく振れるようになるまでは、4、5年の時間が必要だった。

伊澤のドライバー変遷

パーシモンで育ち、メタルで開花してチタンで大活躍。そして大型チタンに悩んできた。

【1990年代】

パーシモンでプロデビュー。アメリカ武者修行時代もこのモデル。1994年に日本ツアー本格参戦

1995年ころにメタルへ移行。95年の日本オープンでは、初日からトップを譲らず初優勝を飾る

チタン移行は1997~98年。当時の鍛造チタンが、打感や音、形などでしっくりこなかったという

99年からブリヂストンを使用。250ccのこのモデルで年間2勝、飛距離ランクは2位

マスターズで4位に入る。ツアーステージV700、250cc

2001年に初の賞金王や、マスターズで4位など大活躍。クラブチェンジが上手くいった

【2000年代】

05年に「Xドライブ365」で1勝を挙げるも、次モデルが400cc超となり、翌年クラブ契約フリーに

400ccが合わないことと、球筋の変更が重なり、苦悩の時期。最後の優勝は2007年

【2010年代】

長年愛用テーラーメイドR510TP、390ccヘッドで投影面積は小さめ

長く愛用したモデル。ヘッドサイズに比して、投影面積が小さかったため振りやすかった

ついに460ccを試合で違和感なく使える段階に。今後の「伊澤利光・第2章」に大注目だ

月刊GD2019年11月号より

大MOI時代スウィング作りはドライバーが簡単④石井&目澤コーチがみんなの疑問にお答え

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