クラブ・ボールを飛ばなくする方向性にマキロイが待った! 「彼らはゴルファーの0.1%しか見ていない」
USGAとR&Aは、先頃「ディスタンスインサイドレポート」と同時にクラブとボールの飛距離制限に関するルール改定案と計画を発表したが、これにローリー・マキロイ、ジャスティン・トーマスなど多くのプロが反発している。
たしかに男子プロのドライバーの飛距離は、大きく伸びている。2019年と比較して、昨年は欧州ツアーでは6.9Y伸びて平均301.9Yに。米ツアーでは3.1Y伸びて296.1ヤードになっている。こうした状況を受け、USGAのマイク・デービスCEOは「飛距離は年々確実に伸びており、すべてのレベルのゴルファーとゴルフコースの将来を脅かすものになっている。ゴルフを100年先まで発展させるために、USGAとR&Aは世界のゴルフ界とともに、長い行程の最初の一歩を踏み出した」とコメント。
今回の提案では、①模範的なローカルルールとして、パターを除くクラブの長さの上限を(48インチから)46インチにする、②ゴルフボールのテスト方法の改定、③テストの誤差の修正、を提案。さらに今年の11月までに、ボールについてはテストにおける飛距離の上限の引き下げ、性能の制限の修正、サイズや重さについても検討して発表するとしている。またドライバーとそのヘッドについても性能の制限を加えることを検討しているという。
これに対してマキロイは「彼らはゴルファーの0.1%しか見ていない。99.9%の人々は、ゴルフを楽しんでいる。飛距離制限問題にこだわるのは金の無駄使いで、その資金をゴルフの普及に使うべき」としている。実際、今回のレポートでもアマチュア男子を例にとれば、HC6以下で平均239.2Y、HC13~20のゴルファーは平均200Y(誤差2.5Y)なのだ。少なくとも今現在、トップアマやプロ以外には飛距離問題は無関係と言えるだろう。一方、トーマスも「メーカーは何億ドルもゴルフ用品の開発に費やしている。USGAとR&Aは利己的で、そうした努力を無視している」とバッサリ。
とはいえ、何年も費やした調査の上での飛距離制限案。USGAとR&Aは、このまま押し通す可能性が大きいのではというのが大方の見方だが……。
週刊ゴルフダイジェスト2021年3月2日号より