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【名手の名言】サム・スニード「アマチュアはあまりにも早くボールを打ちたがる」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は天性の美しいスウィングで82もの勝ち星を重ねたサム・スニードの言葉を2つご紹介!


アマチュアはあまりにも早く
ボールを打ちたがって
“待つ”ことを知らない。
タバコの吸い殻でも打つように
スウィングすればいいのに

サム・スニード


表題の言葉は、サム・スニードの自伝的技術書『The Education of a Golfer』から抜粋したもの。

早く打ちすぎることを戒める名言は多いが、タバコの吸い殻というのがいかにも時代を思わせる。

サンデー・ゴルファーの欠点は、早く打とうとして、トップから振り下ろしたとき、コックが早くほどけて、クラブの“溜め”ができない。なので自分の持つ能力の最大限のパワーを出すことができない。

ヒッティングエリアに入ってからコックはほどく。これが最大に飛ばす秘訣。

なぜそんなに早く打とうとするのか? ボールは決して逃げないのに。生まれたときからシルクのようなスウィングを持つといわれた天才の慨嘆だ。


歌いながら、ハミングしながら
スウィングするのさ

サム・スニード


球史に残るショットメーカーといえば、球聖ボビー・ジョーンズを始め、アイスマン、ベン・ホーガン、帝王ジャック・ニクラスが挙げられようが、彼等は刻苦勉励して、スウィングをつくりあげた天才という気がする。

しかし、サム・スニードはゴルフをはじめたその日から、難なくあの流れるようなワンピースのスウィングができたといわれる。

“ナチュラル・スウィング”、“ボーン・スウィンガー”といわれる所以だ。

米国バージニア州の山奥に生まれたスニードは、木こりや山登りで自然に足腰を鍛錬し、100メートル走をすれば10秒台で走り、運動能力抜群だった。

そしてゴルフ界にやってきたスニードは、瞬く間にツアーで勝ち星を重ねて82勝。メジャーも7勝。

「フック、スライス、どんな球でも心に念じるだけで打てるよ」と、山男丸出しの訛りで言っていたという。

そんなスニードに、流麗なスウィングをつくるための秘訣を誰かが聞いたときに、答えたのが冒頭の言葉だ。

「歌いながら、そうだな、ハミングしながら打てばリズミカルに打てるよ。それ以外に考えたことないなあ」

生まれたときから絹のようななめらかなスウィングを持つ天才の言葉に、ダッファーは溜息をつくしかないのである。

■サム・スニード(1912~2002)

米国バージニア州生まれ。父が勤務するコースのキャディとしてゴルフを覚え、奨学金で大学へ。20歳プロ入り。23歳米ツアー参戦。以来82勝を積み上げた。メジャーは全米プロ3勝、マスターズ2勝、全英オープン1勝しているが、全米オープンは2位どまりで、グランドスラムは逃している。その華麗なスウィングは「ボーン・スウィンガー」といわれ、世界のゴルファーの羨望の的だった。また、世界各地に積極的に出かけ、ゴルフの普及につとめ、「ゴルフ親善大使」と呼ばれた。

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