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【キミこそ王子だ】Vol.293 「1%の人間」になるために! 中嶋常幸の言葉を胸に世界を目指す期待の中3男子

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は宮崎県の日章学園ゴルフ部から選出! 宮崎県出身、中学3年生の長﨑煌心(こうしん)くんだ。夢は「世界の長﨑」と呼ばれるプロになること。一体どんなスウィングなのか武市が解説する。

今回の王子候補

長﨑 煌心くん

ながさき・こうしん ●主な戦歴/2022 全国中学校ゴルフ選手権 2位 ●ベストスコア 66(トーリーパインズGC) ●トレーニング/週イチで筋トレ ●練習/毎日9Hのラウンド&2時間の打撃練習


ゴルフが好きな祖父、父に影響を受け5歳でゴルフを始めた煌心くん。これまで全国大会で好成績を収めている強者だ。

ゴルフの師匠は中嶋常幸プロ。同プロ主宰のジュニアアカデミー「ヒルズゴルフトミーアカデミー」で、年数回、指導を受けている。

球筋はハイドローで飛距離は290ヤード。「曲がらない自信がある」と自負するだけあり、正確性もバツグン。すべてにおいて、中学生とは思えないくらいに仕上がっている。

「中嶋プロからはどんなことを教わっているの?」

「メンタルや練習方法など、さまざまです」

「スウィングに関しては?」

「足を動かし過ぎないようにと言われます。そのために、足裏の感性を大切にすることだと」


「さすが中嶋プロ、深いね~」

煌心くんは現在中学3年生。「もっと飛ばしたい!」とクラブを振り回してしまいがちな年代だが、武市は「すごく冷静」と評価。

「本人が言うように、足裏をすごく大事にしたスウィングだよね。大事にするというと、踏ん張ったり、地面を蹴ったりするのを想像する人も多いと思うけど、ちょっと違う。なぜなら、本来、スウィング中、一番動かないのは足裏だから。そうだよね?」

「はい」

「足裏がめくれたり、ネジれたりしないように心がけると、実際に力が入るのは足裏ではなく、太ももや腹筋。そういう意味で、足裏は動かない。だけど、実際は足裏でしっかり地面を踏みつけているから、めちゃくちゃ仕事はしている。それを静かに使うって表現したんだけど……わかりにくいかな?」

「そういうことだと思います」

「太ももや腹筋に力が入ると何がいいかというと、本当の意味で下半身が使えるから、振り遅れなくなる。煌心くんも、目には見えないけど足裏を静かに使って地面を踏みつけている。ダウンスウィングで若干右サイドが沈むのがその証拠。だからクラブ軌道がインサイドアッパーとなり、素晴らしいハイドローが生まれるというわけ」

その説明を聞くと、煌心くんのガッシリした太ももに合点がいく。

「足裏って重要だよね。ボクも昔、足裏を静かに使いたくて、新聞紙の上で、破れないようにスウィングする練習したよ」

「中嶋プロのところでは、足裏の感性を磨くために、靴下を履いたまま足の下のモノを当てる訓練をゲーム感覚でやったりします」

「楽しそう! 今度勝負しよう!」

「負けません!」

乗りに乗っている煌心くんだが、過去にはスウィングに悩んだことも。そんなとき、彼を救ったのが中嶋プロの言葉だ。

「プロで活躍できる“1%の人間”は、ここから自由の女神を見るぐらい遠いもの」

煌心くんは、この言葉に奮い立たされ一層の努力を決意。そうして、スランプを乗り越えたという。

「“1%の人間”になれるかは、ここからが勝負! でも、煌心くんなら、きっとなれるはず」

とエールを送る武市であった。

週刊ゴルフダイジェスト2023年2月21日号より