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「お静かに」ではなく「騒ごうよ」 PGAツアーとは真逆をいくLIVゴルフ、驚きの実態とは?

先日タイで行われたLIVゴルフ第6戦でダスティン・ジョンソンが最終戦を待たずに年間王者となり、ボーナス約26億円超を加えた40億円超を手にしたことが話題となったが、試合の模様を、現地で観戦したハル常住氏が解説。

GD PGAツアーと比較してどうでしたか?

常住 世界中のトーナメントを観てきましたが、そのどれとも正反対のことばかりでした。これまでのどの大会も「お静かに」の世界でしたが、LIVは真逆の「騒ごうよ」がモットー。もっと驚いたのは、“54クラブ”というテントの中で音楽がガンガンかかり、まるでディスコ状態。もちろんコースにもそれは聞こえています。テントではお酒も食べ物も用意されていて、“飲んで食べて盛り上がろう”というコンセプト。キャディだけでなく選手も半ズボンで、キャディも選手と同じ食事や飲み物が用意されていました。

GD 騒がしくてプレーに集中できないのでは?

常住 自分の一番良いところを“見せたい”ほうが先に立ち、そうでもないように見えました。そうでなければ7815ヤードのコースを出場選手中1人を除いて全員がアンダーパーを出せるわけがありません。それに最後まで試合を“投げず”にバーディを取りにいく姿勢は、団体戦があるからでしょうね。

GD “遊び”のゴルフに高額賞金、ゴルフ自体の質が変容しませんか?

常住 確かにショー化されているようには感じましたが、ゴルフはこれから2つに分かれていくのではないかと思います。一つはPGAツアーに見られるような、若い世代がアスリートの登竜門として覇を競うゴルフ。もう一つは高齢者や女性もエンジョイできるレクリエーションゴルフ。LIVは後者の受け皿になるのではと感じます。

GD 6戦目がアジア、それもタイという理由は?

常住 開催されたストーンヒルCCはLIVのために造られたそうです。LIVのスポンサー、サウジアラビアとタイはこれまで国交を断絶していましたが、今年2月にこれが復活。この記念という意味もあったのではと感じます。タイはゴルフ場も急増し、タイガーの母親がタイ人なのも一因。アジアに親近感を持つG・ノーマンの意思が反映されているようです。ただ残念だったのが、慣れないショットガンスタートゆえ、谷原秀人選手まで目が届かなかったことでした。

賛否のなかでも否定的な意見が多いLIVゴルフの“良いところ”も見えてきた。

週刊ゴルフダイジェスト2022年11月1日号より