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【富士通レディース】帰国後、即V。ホステスプロの古江彩佳がバーディ締めで連覇達成!

<富士通レディース/東急セブンハンドレッドC(千葉)/6689Y・パー72/10月14日〜16日>
PHOTO/Shinji Osawa

千葉県セブンハンドレッドCで行われた富士通レディース。ホステスプロの古江彩佳が、追いすがる岩井明愛を振り切り、逃げ切りで大会連覇を果たした。

富士通レディースといえば、2019年、まだアマチュアだった古江彩佳が優勝し、プロへと羽ばたいた大会。富士通所属のホステスプロ・古江は昨年大会でも優勝しているディフェンディングチャンピオンでもある。周囲の期待のなか、2日目の前半、圧巻の2イーグル「30」で回ると一気に首位に立ち、さあ、“古江劇場”の始まりだと思わせた。

しかし、最終日、ロケットスタートに成功したのは岩井ツインズの姉、明愛。前半5バーディ、ノーボギーの「31」で回り、14番終了時点では古江、岩井、新垣比菜の3人が14アンダーで首位に並ぶ三つ巴の大混戦に。キーホールになったのは15番パー4。岩井がバーディ、古江パー、新垣ボギーで、一気にバラけた。続く16番パー5は、古江、新垣がバーディ、一方の岩井はバーディ奪取ならず、古江が岩井に15アンダーで並び、新垣が1打差の3位。勝負は最終18番へ。ひとつ前の組で回っていた岩井がパーでホールアウト、最終組の古江を待つ展開に。この日の18番は最終組までで、予選通過者56人中ボギー22人、ダブルボギー4人という超難関。プレーオフ突入が濃厚と思われたのだが……。古江は第2打をピン手前3メートル強につけると、これを決めてみせ、古江劇場を締めくくった。

古江は、富士通の週、火曜日にアメリカから帰国したばかり。羽田空港から千葉県の東急セブンハンドレッドクラブに直行するというハードスケジュール。しかし、移動がタフな米女子ツアーを主戦場にする古江は疲れをもろともしない。今季、アメリカではツアールーキーながら、ご存じの通りスコットランド女子オープンでは初優勝を果たしている。「緊張はしたことがない」という驚異の強メンタルを誇る。

しかし、富士通レディース過去3度の優勝のうち、アマチュア時代の初回は自分のゴルフに集中するだけ、昨年の2回目は攻めるだけだったのに対し、3回目の今回は初日、2日目とビッグスコア(66、65)をマークし、追われる展開で「抑えながら攻めることを心がけました。それが難しくて……」と振り返る。米女子ツアーで1勝を挙げた古江の参戦に周囲は「凱旋」と盛り上げた。そんな状況を「プレッシャーは少し……。自分でかけていたところもあった」という。自らにプレッシャーをかけながら、テンションが上がりすぎないようセーブしながら攻めたという古江。

初優勝まであと一歩だった岩井、4年半ぶりの優勝を目指した新垣より役者が一枚上だった。

勝利のルーティンはなんと朝食のお茶漬け。この日の具は鮭だったとか

岩井明愛は最終日7バーディ、ノーボギー。初優勝は逃したが、18番の古江のバーディに人一倍大きな拍手を送ったグッドルーザー

単独3位に入った新垣は今季、ステップ・アップ・ツアーも経験。それが刺激になったという。今大会が復活ののろしとなるか

<富士通レディース・最終成績>

優勝古江彩佳-16
2位岩井明愛-15
3位新垣比菜-14
4位T菅沼菜々-12
4位T阿部未悠-12
4位T西郷真央-12
7位T山下美夢有-11
7位T桑木志帆-11
9位イ・ボミ-10

週刊ゴルフダイジェスト2022年11月1日号より