シルバーコレクターの汚名を返上! トニー・フィナウが2週連続V
トニー・フィナウの快進撃が止まらない。3Mオープンで11カ月ぶりに優勝を挙げたと思ったら、翌週のロケットモーゲージクラシックでは大会記録の26アンダーで圧勝。勝てなかった日々が嘘のように勝利を重ねている。
4日間でボギーはわずか1個。300ヤード超えの飛距離に加え、フェアウェイキープ率は80パーセント超、パーオン率は驚異の90パーセント超えを記録したフィナウ。“飛べば曲がる”が当たり前の世界で、飛んで曲がらない理想のプレーで後続に5打差をつけると、「フェアウェイに打てているのでグリーンをキャッチできている」。いとも簡単にプレーしているように見えるが「やさしくなんかないよ。ストレスも多かった」と振り返る。2週間の累計スコアは43アンダー。誰にも止められない勢いだ。
初優勝から141試合勝てない日々を過ごしたフィナウが気づいたのが、ショートゲームの重要性。「飛距離を求めるよりアプローチとパターを磨かなければ」とここ数年、地道にグリーン周りの練習に取り組んだ結果、自らの進化を実感。「自分のゲームがよりシャープで強くなったのを感じている」のだとか。
今大会ではルーキーのC・ヤングも上位争いを演じたが、今回もまた優勝に届かず2位タイ。これで今季2位が5回でルーキー・オブ・ザ・イヤーの本命ではあるが、待望の1勝が遠い。「フィナウが凄いプレーで我々を吹っ飛ばした。ほかの誰かが勝つのを見るのは面白くない」と悔しそうな25歳。
思えばフィナウも勝てなかった5年間で2位が8回で“シルバーメダルコレクター”と呼ばれたもの。しかし、昨年秋に2勝目を挙げてから、1年で3勝。勝者と敗者を分けるもの、それをフィナウは「希望と信念を持って諦めないこと。勝者は挑戦し続けた敗者だという言葉があるから」と言った。
ヤングにもいずれトロフィを掲げる日が来るはずだ。
週刊ゴルフダイジェスト2022年8月23・30日合併号より