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【ゴルフ初物語】Vol.93 2015年スタートの「いい部屋ネットレディス」初代クイーンは7年ぶりVの原江里菜

1週間のオープンウィークを挟んだ国内女子ツアー。今週の大東建託・いい部屋ネットレディスで後半戦がスタートした。今年で7回目となる本大会は、昨年に続き北海道の滝のCCでの開催となったが、その第1回は2015年、山梨県の鳴沢GCで行われ、原江里菜が7年ぶりの優勝を果たした。

2015年に新規トーナメントとしてスタートした大東建託・いい部屋ネットレディス。第1回の会場に選ばれたのは山梨県の鳴沢ゴルフ倶楽部。開場以来、初の女子トーナメント開催となり、山梨県では2004年のフジサンケイレディスクラシック以来、11年ぶりの女子ツアーだった。

鳴沢GCは標高1000メートルの富士山北麓に位置するが、2015年の第1回大会は連日30度を超す猛暑。そんななか初日トップに立ったのは青木瀬令奈と原江里菜。当時プロ5年目で未勝利の青木は5バーディで、この日ただひとりのノーボギー。2012年5月のヨネックスレディス以来、3年ぶりとなる首位発進となったが、2日目はスコアを伸ばせず8位に後退。一方の原は2日目も2番から3連続バーディを奪うなど絶好調。ところが、後半の10番で突然、流れが変わる。

「10番でバーディパットが決まらなくて、次の11番でボギー。その後も悪い流れのまま17番でまたボギー。これだけ(2008年8月のNEC軽井沢以来)勝っていないから、ミスをすると周りからシビれていると思われているのではないか、とか考えていました」と胸の内を吐き出す。

それでも2日目を「69」とし、2位と2打差の単独首位に。ところが迎えた最終日、同組で回ったアン・ソンジュに、わずか4ホールで首位の座を明け渡す。さらに14番では先にホールアウトしたイ・ボミが首位になったことを知る。するとアン・ソンジュが「最終組から優勝者を出さないとダメ。頑張ろう」と声をかけてきた。

「いい選手と回れた。感謝しないといけません」と原。その14番と続く15番を連続バーディとし首位を奪回、そのまま1打差で逃げ切ると、ボールを拾い上げた両目には涙がにじんでいた。初優勝から2勝目までのブランクは、ツアー史上4番目に長い6年350日だった。

ウィニングパットを決めた瞬間を「やっと解放されたという気持ちでした。すごくほっとしています」と振り返った原。2008年8月のNEC軽井沢72ゴルフ以来7シーズンぶりとなる、待望の2勝目だった

週刊ゴルフダイジェスト2022年8月2日号より