【スウィング研究】大西魁斗「フェースローテーションほぼゼロ! “側屈”を生かした縦回転スウィング」
アメリカで腕を磨き、今季たびたび優勝争いの顔を出すなど大器の片鱗をのぞかせる大西魁斗。その活躍を支えるスウィングの特徴を、プロコーチの内藤雄士が解説。
PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Takanori Miki
大西魁斗(23)
1998年10月13日生まれ、千葉県出身。9歳から米国に留学。南カリフォルニア大学時代はオールアメリカンに選ばれるなど活躍し、21年にプロ転向。ダイヤモンドカップで2位タイ
●平均飛距離:289.67Y(33位) ●FWキープ率:51.79%(78位)
ホアキン・ニーマンを
彷彿とさせる“側屈”
「アメリカ生活が長いので、日本人特有の空気を読む感じではなく、いい意味でマイペースで孤独にも強い。試合時も仲のいいキャディともご飯にも行かず、疲れを取ったり、体調や精神面を調整するためにも、『プロは自分のペースを崩すべきではない』との思いを貫いています。
大学時代のコーチと一緒に、今も定期的にメンタルトレーニングを行っていて、メンタルコントロールがすごくうまい。考え方も合理的で、その点もアメリカの大学で最先端のゴルフに触れてきた影響でしょう。
スウィングはよく『ホアキン・ニーマンに似ている』と言われますが、それを目指したわけではなく、高い体の柔軟性を生かしながら合理的にその要素を取り入れた結果です。特徴としてはダウンからフォローにかけての上半身の『側屈』。これは立った状態から体を横に倒した形ではなく、前傾を保って両わきを絞り、腰を回転していくことでサイドベンドしながらも右肩が前に突っ込まないから可能な縦回転運動。そのキーが、左手のストロンググリップと両わきの締まりです。フェースローテーションが全くないので、左グリップがウィークになったり、わきが空くとボールは右にすっ飛んでしまう。ゆえに彼は、毎回練習時に『まずグリップが正確か』をチェックします。
一見難解に見えますが、実はアマチュアの方に真似してほしい点が多いスウィングです」
右肩の位置が最後まで保たれている
解説/内藤雄士
日大在学中に米国へゴルフ留学。帰国後にプロコーチとして活動を開始。トッププロやアマチュアを指導しながら、テレビ中継の解説などメディアでも活躍。母校の日大ゴルフ部のコーチも務める
週刊ゴルフダイジェスト2022年7月5日号より