一線越えたトランプ。ゴルフ界からも総スカン……
最後の最後に一線を越えたドナルド・トランプ大統領。もちろん、民主主義の総本山ともいえるアメリカ議会への乱入を煽動したことだ。スポーツと政治とは別物とはいえ、これにはゴルフ界も黙っているわけにはいかなくなった。
PGAオブアメリカのジム・リチャーソン会長は、次のような声明を発表した。
「PGAオブアメリカの理事会は、今日(1月10日)、2022年の全米プロをトランプナショナルGCベッドミンスターで開催するという同意を破棄する権利を行使することを決定した。トランプベッドミンスターで全米プロを開催することは、PGAオブアメリカのブランドイメージを傷つけるもので、協会の多くの活動に支障をきたす可能性があるほか、私たちの使命を長期にわたって維持していくのにリスクを与えるものだ」
また、同協会のセス・ワウフCEOも「私たちは、私たちのメンバーやゴルフに対しての使命、ブランドに対して責任がある。議会乱入という悲劇に対してダメージは取り返しのつかないもので、私たちの取れる行動は、唯一ベッドミンスターから離れることだ」としている。
同コースでは、2017年に全米女子オープンが開催されているが、開催が決まったのは、トランプが大統領選に出馬する前のこと。トランプ側は「契約違反」と抗議しているものの「これからもあらゆるレベルのゴルフをプロモートし続ける」との発言には何やら諦めムードも漂う。それだけ今回の議会乱入の煽動(?)に関しては、言い訳がきかない、民主主義の根幹を揺るがす事件という認識がトランプ側にもあるのかもしれない。
なお、R&Aもトランプ所有のターンベリーでは、当面全英オープンを行わない決定を下している。
週刊ゴルフダイジェスト2021年2月2日号より