【PGAツアーHOTLINE】Vol.22 上位の7割はアメリカ勢。今季のPGAツアーは誰が来る?
PGAツアーアジア担当ディレクターのコーリー・ヨシムラさんが米ツアーのホットな情報をお届けする隔週連載「PGAツアーHOTLINE」。第22回のテーマはアメリカ選手の勢力図について。
ARRANGE/Mika Kawano PHOTO/Blue Sky Photos
層の厚いアメリカ勢
一歩抜けるのは誰だ?
22年年頭の世界ランキングでは、上位20名中アメリカ勢が14名を占めていました。これはランキングが制定された86年4月以来2度目で過去最多タイに当たります。
1位のジョン・ラームはスペイン出身で不動の強さを誇っていますが、ナンバー1奪還のチャンスがあるアメリカが誇る若きエース、コリン・モリカワを筆頭にDJことダスティン・ジョンソン、ザンダー・シャウフェレ、パトリック・カントレー、ジャスティン・トーマス、デシャンボー&ケプカ、ジョーダン・スピースら、そうそうたる顔ぶれがトップ20に名を連ねています。
まだツアー復帰の時期を明らかにしていないタイガーも、我々ファンと同様に(失礼!)高みの見物ではありませんが、誰が本気で勝つために舞台に上がるのかを注視しています。
DJはデビュー以来14シーズンで年間少なくとも1勝を挙げており、その記録を伸ばす使命を帯びています。シャウフェレはメジャーの優勝候補ナンバー1で、マスターズでのリベンジを誓っています。
また昨シーズンの年間王者カントレーは“パティ・アイス”のニックネーム通り、冷静なポーカーフェースで勝利に邁進するはずです。
飛距離に命をかけるデシャンボーと、新シーズン金髪にイメチェンして登場したケプカ。昨年までは2人の確執に注目が集まりましたが、今年はやや優勝から遠ざかっている2人は勝利を貪欲に追求するはずです。そしてネクストスターと噂されるサム・バーンズも昨シーズン2勝の勢いをキープするでしょう。
「勝つことがエリートレベルで戦うプロにとって一番重要なミッション」というタイガーは、後輩たちの熾烈なトップ争いを注視しています。
ちなみにタイガーは、96年のデビューから09年までの239試合で72勝を挙げており勝率は2割3分7厘。しかし10年以降115試合では11勝にとどまり勝率は1割(0.95)に達しませんでした。
全盛期は勝ったことより勝てなかったことのほうが大きく報じられ、予選落ちでもしようものなら蜂の巣をつついたような大騒ぎになったもの。今は勝てなかったことが大々的に報じられるのはほんの一握り。タイガー、あなたは強かった!
コーリー・ヨシムラ
PGAツアーのアジア全体のマーケティング&コミュニケーションディレクター。米ユタ州ソルトレーク出身でゴルフはHC6の腕前
週刊ゴルフダイジェスト2022年3月8日号より