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中国、ヨーロッパで武者修行。オーストラリアの新星L・ハーバートってどんな選手?

PGAツアーの「バミューダ選手権」で、オーストラリア出身25歳のルーカス・ハーバートが初優勝を飾った。参戦19試合目の勝利に、“新星誕生”の声がそこかしこから聞こえてくる。

南の島が強風と雨に見舞われた最終日。ピンフラッグが傾くほどの難コンディションだったなか、4打差の3位から出たハーバートは序盤の連続バーディで波に乗ると、後半の12番と14番でロングパットを沈め、P・リードに1打差をつけ逆転勝利を挙げた。

「忍耐力の勝負だと思っていた。もともと厳しい状況に耐えるのが好きなんだ。ロングショットが冴えていたので、プレッシャーのかかる状況も乗り切れた」と初優勝の弁。

アマチュア時代から豪州を代表するプレーヤーだったが、16年にプロデビューしてからは地元オーストラリア、中国、ヨーロッパを渡り歩いて武者修行。18年には地区予選を勝ち抜き、「全米オープン」でメジャーデビュー。予選会場のポートランドGCで64をマークした。

同年カーヌスティGLで開催された「全英オープン」では、タイガーと練習ラウンドする夢を叶えた。予約シートのタイガーの名前の横が空欄になっていたため、自分の名前を書き込んだのだが、航空会社の手違いでキャディバッグが手元に届かず、せっかくのラウンドは貸しクラブだったというオチも。

その後も階段を上り続け、今季PGAツアーに昇進するも、出だしは最悪。2試合連続予選落ちを喫して臨んだのがこの大会だった。

アマチュア時代の14年には、全豪マスターズと翌週の全豪オープンをはしごするため、メルボルンからシドニーまで夜通し車を走らせて移動、全豪オープンで23位タイに入った根性の持ち主は、今回の優勝で約1億3000万円稼ぎ、世界ランクトップ50入りも果たした。今後の楽しみは、出場が決まったマスターズ初参戦だ。

オージー勢の新たな「顔」となるか!?(Photo by Cliff Hawkins/Getty Images)

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月23日号より