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【ブリヂストンオープン】プロ7年目の杉山知靖が初優勝。恩師が語る強さの秘密は「粘り強さ」

<ブリヂストンオープン/袖ケ浦CC 袖ヶ浦C(千葉)/7119Y・パー71/10月7日~10日>

千葉県袖ケ浦CC袖ケ浦Cで行われたブリヂストンオープン。ツアー未勝利でシード権も持たない杉山知靖(ともやす)が、プロ入り7年目にして待望のツアー初勝利を手にした。

PHOTO/Hiroyuki Okazawa

杉山は幼稚園時代から、地元近くの練習場でアマチュア指導にあたる内田豊プロに師事して以来、その関係は現在でも続いている。

「実は彼のおばあちゃんの時代から、3世代にわたって指導しています。おばあちゃんに連れられ、はじめて私のレッスンに来たとき、『プロになりたい』というので、私も本腰を入れなければと、できる限りのことを教えてきました」

と内田プロ。勤勉で真っすぐな杉山の性格を知り尽くし、今でも試合前には必ず助言を求められるという、いわば心の支え的存在。

「彼の強みは、とにかく粘り強いこと。アプローチパットが抜群に上手いんです。ただ、この週は調子が悪かったようですね」(内田プロ)

実は2日目の朝、杉山からアドバイスを求める電話があったそう。

「ドライバーの引っかけが止まらないと言うので、タイミングについてアドバイスしました。そしてもうひとつ、自分のことだけを考えて、勝ちに行くよう伝えました」

周囲へ気を使いすぎる傾向があるという杉山への助言が奏功したか、3日目に「62」を叩き出し、トップに躍り出る。

2位の片岡尚之に3打差をつけ迎えた最終日、6番パー4でボギーを打ち、一時は首位に並ばれるが、流れは手放していなかった。このホール、2打目で入れたグリーン奥のバンカーから無理にピンに寄せようとせず、あえてグリーンをオーバーさせ、4打目のアプローチを寄せてのボギー。アプローチによほど自信がない限り、優勝争いの場でできるものではない。

冷静なマネジメント力も強み

一見、ミスのように見えるも、実は事前にキャディと話していた策。4打目の寄せに自信がないとできる芸当ではない

そして7番で2メートル、9番で2.5メートルのバーディパットを決め、後半も3バーディとし、見事優勝、同時にZOZOチャンピオンシップ出場権も手にした。

「優勝という結果におごらず、感謝の気持ちを忘れず精進したい」

と、あくまでも謙虚な杉山。ZOZOチャンピオンシップでの粘り腰が楽しみだ。

優勝争いの陰で“ZOZO”出場権争い

優勝者に加え、すでに出場資格を持っている選手を除く2位以下の上位2名が「ZOZO」の出場権を手にできる本大会。最終日に「63」を出した片岡尚之(左)と「64」を出した香妻陣一朗(中)が2位タイに入り出場権を手にした。最終日に杉山と同じくコースレコードタイの「62」を叩き出した植竹勇太(右)は、1打差の4位に終わり惜しくもZOZO出場を逃した

「ショットは少しずつ良くなっている」

ドライバーに不安を抱えつつも、なんとか予選通過した石川遼は28位タイ。この後、10月中旬に開催される米国下部ツアー2次予選会出場のため渡米

<ブリヂストンオープン・最終成績>

優勝杉山知靖-19
2位T香妻陣一朗-16
2位T片岡尚之-16
4位植竹勇太-15
5位S・ノリス-14
6位岩田寛-13
7位TS・ビンセント-12
7位T永野竜太郎-12
7位T竹谷佳孝-12

週刊ゴルフダイジェスト2021年10月26日号より