【KBCオーガスタ】石川遼、優勝まで“あとひと転がり”もスウィング改造に手ごたえ
<Sansan KBCオーガスタ/芥屋GC(福岡)/7210Y・パー72/8月26日~29日>
PHOTO/Hiroaki Arihara
福岡県の芥屋CCで行われた「Sansan KBCオーガスタ」最終日、首位と2打差の3位タイからスタートした石川遼が5つスコアを伸ばし、トップと1打差の2位でフィニッシュ。優勝は逃したものの、その表情は晴れやかだった。
理想のドローボールが
出るようになってきた
約1年半前から、田中剛コーチとともに、長期的なスパンでスウィング改造を続けてきた石川遼。ここにきて、取り組んできたことがかみ合ってきたのか、「Sansan KBC オーガスタ」では見事な優勝争いを演じた。
トップのスコット・ビンセントと2打差の3位タイで最終日をスタートした石川。1番こそボギーとしたものの、その後は4、6、8、9番とバーディを奪っていき、前半を3アンダーで折り返す。後半も14番でバーディを奪い、トップのビンセントと1打差に迫る。
イーグルの狙える最終18番パー5でも、ショットは安定していて、2打目をグリーンのそばまでもっていき、イーグルチャンスを作った。決めればトップに並ぶ状況。カラーからドロー回転で打ったアプローチは、あとひと転がり足りず、惜しくもバーディフィニッシュとなった。ビンセントが最終ホールをパーとして、石川の2019年以来の優勝はかなわなかった。
18番のカラーからのアプローチは、カップをのぞくところまで寄ったがあとひと転がり及ばず。ギャラリーからは大きなため息が漏れた
1打足りずに惜敗した石川遼だったが、試合後、インタビューに答えるその表情は晴れ晴れとしていた。「3日目、4日目は納得のいく結果で、いい経験ができました。これまでショットをかなり見直してやってきて、そのなかでは手ごたえを感じたほうだと思います。残りの試合に向けて、今週本当にいい経験ができて、こういったパフォーマンスを続けられるようにもっと練習頑張っていきたいです」(石川)
石川遼が優勝に近い位置でプレーしたのは今年初めて。「練習場でできることが試合でできない」と日ごろ話しているように、これまでは理想的なドローボールが出るスウィングを、なかなか試合でやり切れなかった。右へ大きく曲がるミスも出れば、左へのフックボールも出たり、まさに試合のなかで自分のスウィングと戦いながら、レベルアップを図ってきたのだ。ここにきて、その理想の球も出るようになり、最終的に優勝まであと一歩のところまで上り詰めた。石川にとって秋のビッグトーナメントに向けて、収穫の多い大会となったのは間違いない。
バーディをとった9番ホールのティショット。まだショットは乱れるところはあるものの、3日目、4日目は尻上がりに調子を上げていた
S・ビンセントが完全優勝でツアー初V
ギャラリーを入れての4日間に
3日目の土曜日には3000人以上のギャラリーが詰めかけた。「お客さんが入ることで気持ちが乗ってきますし、皆さんからチカラをもらっていました。たくさんの応援を受けて頑張れました」(石川)
<Sansan KBCオーガスタ・最終成績>
優勝 | S・ビンセント | -17 |
2位 | 石川遼 | -16 |
3位 | 貞方章男 | -15 |
4位T | 矢野東 | -12 |
4位T | 金谷拓実 | -12 |
4位T | 大槻智春 | -12 |
7位T | 堀川未来夢 | -11 |
7位T | 今平周吾 | -11 |
7位T | 石坂友宏 | -11 |
週刊ゴルフダイジェスト2021年9月14日号より