【全英女子オープン】「カーヌスティの悲劇」再び? 18番で明暗。かつては松山英樹も餌食に
今季の米女子メジャー最終戦、AIG全英女子オープンで、34歳のアンナ・ノードクイストがメジャー3勝目を挙げた。一方で、最後まで優勝争いを演じながら、「カーヌスティの悲劇」に泣いたプレーヤーも……。
17年のエビアン選手権以来、久しぶりの優勝であることに加え、この春に結婚したばかりの夫、ケビンさんの故郷での快挙に、「なにもかもが特別!」と、夫婦で喜びを分かち合った。
「コロナ禍で試合が中断したことで、かえって忙しい生活から解放され、がむしゃらに走ってきた人生を見直してみたんです。じっくり考えてみて、やはりゴルフから離れることはできないと思い、地道にプレーした結果のご褒美だと思っています」
来年にはコースからほど近いキャッスル(城)で盛大な挙式を予定しているノードクイストが幸せの絶頂を謳歌するなか、現代版“カーヌスティの悲劇”に見舞われた選手がいる。最終日の最終ホールまで首位に並んでいたナナ・コルツ・マドセンだ。
“本家カーヌスティの悲劇”(99年)の主人公となったジャン・バンデベルデは18番で『7』を叩き3打のリードを失って敗れたが、マドセンはバリーバーン(クリーク)にはつかまらなかったものの、2打目が難しいバンカーへ。そしてグリーンを狙った第3打をシャンクし、グリーンオーバー。4打目でも寄せきれず、ダブルボギーを叩いて2打差の5位タイに終わった。
カーヌスティの18番はバンデベルデだけでなく、数々のドラマ=悲劇の舞台となってきた。07年にはP・ハリントンが最終日にバリーバーンに2度つかまり、大量リードを失った。その時はS・ガルシアに並ばれるも、何とかプレーオフを制し優勝できたが、18年には松山英樹が餌食に。左ラフからの第2打が左のOBゾーンを越え痛恨のトリプルボギー。カットラインに1打及ばず、予選落ちを喫した。
今回の全英女子は比較的風が穏やかだったが「世界でもっとも難しい」といわれるコースの悲劇の連鎖は今後も続きそうだ。
週刊ゴルフダイジェスト2021年9月14日号より