Myゴルフダイジェスト

「優勝しても翌朝から練習」周囲が明かす稲見萌寧の強さ

PHOTO/Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa、KJR

技術の高さに加え、プレーオフ無敗と勝負強さも併せ持つ稲見萌寧。そんな稲見の強さの秘密を周辺取材から探ってみた。

いなみ・もね。1999年生まれ、東京都出身
●2009年
9歳でゴルフを始める
●2015年
中京テレビブリヂストンレディスでアマチュアとして10位タイに入る
●2018年
プロテスト一発合格
QTで失敗。その直後奥嶋誠昭コーチに師事
●2019年
センチュリー21レディスで初優勝
●2020年
スタンレーレディスでプレーオフを制し2勝目
●2021年
前半戦で5勝を挙げ東京五輪日本代表に。五輪で銀メダルを獲得

メンタルの強さは練習のたまもの

1年前に東京五輪が開催されていたら、出場権すらなかった稲見萌寧。今年5勝という結果を残し出場した東京五輪では見事、日本人初のメダリストに輝いた。そのすごさについて、稲見が11年前から通う練習場、北谷津ゴルフガーデンの土屋社長に話を聞いた。

「彼女の強さは、“満足”という言葉がないことだと思います。たとえ優勝したとしても次の日は朝から北谷津に来てとことん練習。そんなに練習するの? と、こちらが思うくらいです。でもあの練習量があるからこそ、どんな場面でもいつも通りのプレーができるんだと思います。銀メダルを取った日だって記者会見やらなんやらで、帰ったのは夜中と言っていたのに、翌朝には北谷津で練習していましたからね(笑)」

北谷津ゴルフガーデン・土屋社長の証言
「彼女の辞書に満足という言葉はない」

「優勝した日も“ 満足” をせずに練習するひたむきさがメンタルの強さの秘密。銀メダルを取った次の日でさえ練習に来ていました」

奥嶋コーチの証言
「どんなときでも普段通りにできる」

「どんな試合でも自分のやるべきことがわかっていて変わらないのがスゴイ。オリンピックの舞台でもいつもとまったく変わりませんでした」

トーナメントカメラマンO氏の証言
「ショットに入る瞬間の集中力

「笑顔が印象的な彼女ですが、ショットに入る瞬間の集中力は他の選手とは少し違う。レンズ越しにスイッチが入る瞬間がわかる選手」

唯一の課題は飛距離

「本人も話していますが、飛距離に関してはもう少しほしいですね。飛ぶほうが有利であることは間違いないです。飛んで曲がらない選手になってほしい」(奥嶋コーチ)

月刊ゴルフダイジェスト2021年10月号より