【PGAツアーエキスプレス】Vol.3「僕の名前はシャンクじゃなく“シェンク”。愛犬は“バンカー”」
ゴルフの最先端、PGAツアーの旬なネタをお届けする「PGAツアーエキスプレス」。第3回の注目選手は、米インディアナ州出身の29歳、アダム・シェンク。
PHOTO/Blue Sky Photos
“バンカー”は幸運を呼ぶお守り
まだPGAツアーで優勝経験がないアダム・シェンク。ゆえに、日本のみなさんには馴染みのない選手かもしれない。アダム・シェンクはインディアナ州出身の29歳。彼はゴルフコースにターフグラスを提供する芝農場で育った。そのためか、アメリカ中西部のコースに多いベントグラスのフェアウェイやグリーンのコースとの相性がいいという特徴を持っている。これからの選手であること、そして彼と彼の愛犬の“名前”については知っておいて損はないと思い、今回はアダム・シェンクを取り上げてみたい。
彼の苗字は「シェンク」。ゴルファーにとってはあってはならない「シャンク」という言葉にとてつもなく似ている……。そして、彼が飼っているゴールデンレトリバーの愛犬の名前は「バンカー」という。この名前もまた、ゴルファーにとっては好ましくないように感じるが、シェンクと彼の妻コートニーは「最高の名前。私たちにとって子どもみたいなもの」と言う。
バンカーはまた、シェンクにとっては「幸運を呼ぶお守り」でもある。プロ6年目、PGAツアーキャリア4年目の2019年。ジョンディアクラシックで、6位タイでフィニッシュしたときも一緒だった。インディアナ州ヴァンセンヌから車で行ける範囲の試合には必ずついてくるというバンカー。シェンクの初優勝の場にはバンカーがいることになるかもしれない。
2人がなぜバンカーと名付けたかはわからないが、コートニーは「次に犬を飼うならボギーという名前にしたいです」と笑って話す。
ゴルフにとってはマイナスかもしれない言葉を、あえて愛着があるものの名前にすることで、それすらも受け入れられる。好きに思える。そんな効果があるのかも……。考えてみたら、バンカーが苦手だったら、バンカーに入った瞬間気分が落ちてしまうが、もしそれが自分の愛犬の名前だったら……きっとプラスの感情でバンカーショットに挑めるに違いない。
「ハザードでもブッシュでも、犬が増えたらそんな感じの名前をつけようと思っている。それがアダムにとってプラスになるかもしれないからね」とコートニーは語る。
取材/コーリー・ヨシムラ(PGAツアー アジア担当ディレクター)
月刊ゴルフダイジェスト2021年10月号より