Myゴルフダイジェスト

レジェンドからの助言で6打差逆転。南アの新星レフティ・ヒーゴって何者?

全米オープンの前哨戦、パルメット選手権で聞きなれない名前の選手が優勝した。ガリック・ヒーゴ。米ツアー2試合目で優勝した22歳、実は南ア期待の新星だった。

最終日、ツアー2勝目を狙ったチェッソン・ハドリーに6打差の3位からスタートしたヒーゴだが、安定したゴルフで3アンダー68をマーク。上がり3連続ボギーとしたハドリーらに1打差をつけての大逆転勝利に「信じられません。今週はずっと忍耐強いプレーを心がけました」と愛嬌たっぷりの笑顔を見せた。

「忍耐」といえば母国のレジェンド、ゲーリー・プレーヤー(大の日本通)が「NINTAI」と色紙に書いていることで有名だが「プレーヤーさんとは頻繁に連絡をとっています。今朝も電話をもらいました。彼は自分が6打差、7打差を逆転した経験を話してくれて、ほかの選手のことは考えず自分のゴルフに集中しなさい。そうすれば何が起こるかわからないから、と言ってくれました」。御大の言葉が現実になった。6打差の逆転は今季PGAツアー最多差逆転勝利。

99年に南アのヨハネスブルグで生まれたヒーゴはジュニア時代から地元で負け知らず。アダム・スコットの出身校、ネバダ大ラスベガス校に進みエースとして活躍したが2年で中退し、プロ転向。19年のデビューイヤーには南アツアーで優勝を重ね、20年に欧州ツアーに。出場7試合目のポルトガルオープンで初優勝し、今年スペインで2勝目、翌々週に3勝目と参戦26試合で3勝の“新・天才レフティ”なのだ。

世界ランク上位の資格で出場した全米プロが米ツアーデビュー戦。64位に終わったが、2戦目のパルメット選手権で優勝。ビッグイベントの狭間で、ややフィールドが薄かったとはいえ世界ランク1位のダスティン・ジョンソン(10位タイ)ら大物を下しつかんだ勝利。来季シードを得て「ゼロからのスタート。分厚い壁ですが、この挑戦を楽しみたい」と目を輝かせた。

まだあどけなさの残る22歳(Photo by Warren Little/Getty Images)

週刊ゴルフダイジェスト2021年7月6日号より