距離計測器の使用が許められた全米プロ。スロープレーは解消された?
ミケルソンの優勝でメジャーの最年長優勝記録が更新されたが、もうひとつ、全米プロでメジャーの歴史が動いた。距離測定器の使用が許可されたのだ。
主催のPGAオブ・アメリカによれば「スロープレー防止のため」というのが最大の目的。しかし、初日、2日目は、16番、17番ホールで、10~15分ティーイングエリアで待たされるケースもあった。距離計測器がなければさらに長い時間待たされていたのかもしれないが、不満の声を上げるプロも少なからずいたようだ。
35歳のベテラン、ウェブ・シンプソンはこの件について「プレーのスピードアップにはなっていないように思う。私が知っているプロや話した選手の皆が(ピンまでの距離だけでなく)グリーンのフロントエッジまでの距離を知りたがっていた。しかし、距離計測器ではフロントエッジまでの距離を正確に測定できず、結局、キャディが歩測した距離を聞くことになる。これではスピードアップにはつながらない。私自身、距離計測器の使用には反対。ただ、役立つことがあるのも確かだ。たとえば私の場合、10番で右のラフに入れたとき、角度があったため、左奥のピンまでの距離が自分たちが測っていた距離と、距離計測器で測った数字とで6ヤードも違っていたこともあった」と話す。
テレビ解説をしていた丸山茂樹は、学生時代から距離計測器を使ってきた若手とベテランでは、距離計測器に対する慣れ方が違うと話していたが、20代のプロとシンプソンのようなベテランとでは距離計測器に対する考え方も違っているようだ。
今年は、全米女子プロ、全米プロシニアでも使用が認められているので、そちらの結果も見て今後の方針が決まるだろう。
週刊ゴルフダイジェスト2021年6月15日号より