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【インタビュー】今注目の3選手! <前編>中野麟太朗「BEYOND 2 WINSを目指します!」

新しい組織で新しいスタートを切る国内男子ツアーが開幕。今年注目のプロたちに、オフの過ごし方、自分とゴルフの磨き方、今年の目標を聞いた。キャリアは違えど、ゴルフと世界と男子ツアーへの思いは同じ。1人目は早大出身の大型新人プロ、中野麟太朗に意気込みを聞いた。

PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara

中野麟太朗 なかの・りんたろう。(22)2003年生まれ、東京都国立市出身。7歳でゴルフを始め、明大中野高から早稲田大学へ。大学2年時には日本アマを制し、ナショナルチームでも活躍。24年のアジアアマ3位、25年の世界アマ7位タイ。昨秋、22歳の誕生日前日にプロ転向。3日後に三井住友VISA太平洋マスターズでプロデビュー。300ヤード越えの飛距離も魅力。185cm・95㎏・O型

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中野麟太朗はアマチュア時代ずっと、自身の背中を見せながら走ってきた。ナショナルチームでも、早稲田大学ゴルフ部のキャプテンとしても、周りの選手たちをその言動で鼓舞してきたのだ。

昨秋、大学4年時にプロ転向し、日本国内のレギュラーツアーもすでに2試合経験済みだ。デビュー戦の三井住友VISA太平洋マスターズ。1番ホールで叩いた「ダボ」は鮮明に覚えている。

「僕の輝かしいスタートです」

何事も糧となる。この試合、予選を通過して4日間を戦えた。

「プロとしての最低限、賞金を稼いだことはよかった。その次のダンロップ・フェニックスでは1打足りずに予選落ち。悔しさもあったし、予選落ちしたら赤字なんだという感じもありました」

プロとアマ。やっていることは同じでも大きな差がある。

「アマチュアは賞金がもらえないので目指すは“優勝”の一点でよかったけどプロはお金を失う。それは投資とも考えられるけど、“賞金稼ぎ”として生活を送っていくので、優勝以外のことも意識しないといけない。そんななか18番でボギーを打ってしまった。パーを取りに行くマネジメントをして逆にイージーミスをしたんです」

2試合でシードを取るという淡い夢は無残に散ったと笑うが、すぐに皆が最も過酷だと口をそろえる「QTサード」がやってきた。

「ファイナルまで戦って、サードの大変さを知りました。二度と行きたくない。(下部ツアー含めて)試合に出られるかどうかというラウンドで、初日、2日目と苦しくも乗り越えられたのはデビュー戦の経験があったから。そしてファイナルでは(3日目終わって7打差トップの)天国も味わいましたし、結果的に逆転負けした悔しさは自分に負けた悔しさでもあり、これが今シーズンの糧となり、オフの練習やトレーニングにつながったと思います」

レギュラーのシード選手の強さは痛いほどわかっている。並んで追い越すために何をすべきか考え、オフは技術以上にトレーニングを強化、トレーナーとしっかり肉体改造をする時間を増やした。

「プロは連戦があるので、毎回いい状態とは言わなくても最悪の状態、ケガをしたり疲労を溜たりする状態にせずにプレーするためには、今の体ではダメ。タフな体と、それによって得られるメンタル的な面も大事です。ウェイトトレも増やし、6年前から取り組んでいるボクシングの動きを使い連動性を高めるようなもの、自重系のトレーニングをしています」

そういえば、またひと回り逞しくなった気がする。現在、体重は大台の100kgだ。

「最初は正月太りで怖くて体重計に乗れなかったけど、今は筋肉になっているはず(笑)。20回×3セットの腕立て伏せもしっかりできるようになりましたから」

もともと“飛ばし屋”の中野。飛距離アップより強い球を打つため、スウィング改造もした。

「ナショナルチーム時代のコーチ、ライアン・ラムゼイさんとミニキャンプをして、昨年の全英アマのときのよいスウィングを思い出しながら変えていると力の入れ方がわからなくなり、スウィングスピードが落ちて、最近まで飛距離は270ヤードくらいになった。それで自分に合うようにまた変えて、いい感じにマッチしてきて290ヤードまで戻った。

やはり段階ってあるんですよね。前はスピン量が多くて風が吹いたら終わりでしたけど、今はキャリーは少し減ったけど球は強い。どんどん積み重ねて弾道の強さでキャリーや飛距離をコントロールできればいい」

ニュージーランドオープンなどの試合で先輩プロとの接し方の予行演習もできた。

「一緒に回った佐藤大平さんや、石坂(友宏)さん、木下(稜介)さん、皆、いい人でした。小平(智)さんも前は本当に怖かったけど、実は優しいですし、いろいろと話ができました」

「学ランを脱いで……プロになり優勝以外も考えるように」

早大ゴルフ部の正装・学ランを脱いで。幕末の偉人、勝海舟の幼少期の名を持つ男は、「世界は近いようで遠い。ずっと上を目指す、先にチャンスはあると思っています」

中野の前には、今、“追うべき背中”がたくさんある。

今年の目標を聞くと、少し照れて、「ニュージーランドでも目標を聞かれて『いい意味で最低2勝はしたいです』と色紙に『最低2勝』と書いた。生意気でヤバいやつですよね(笑)。それでももう少し考えて『BEYOND 2 WINS』にしました。2勝を越えていけ、ってなんだかいいでしょう。1年で2勝した人がどれくらいいるのか調べたら、やっぱり2勝目って難しい。初優勝は大事ですけど、それに満足したくないんです」。

当然、世界を見据えているが、PGAツアーへの挑戦の予定を聞くと「追い追い考えます」と返ってきた。

「ここからは分岐点がたくさんあって、どうなるかは自分次第。1つ1つ目標を掲げて、いろんなチャンスがあればつかみにいく」

えんじ色のユニフォームを脱いだ中野の前には、大きくまっさらな海原が広がっている。

「爆発力、積極的なゴルフを見てほしいです」

“目力”強めの中野。「応援してくれる方が増えてほしい。自分を知ってもらうためYouTubeも始めた。でも成績が第一。筋肉も、自分らしいゴルフも見てほしいです」

「タフな体に。ただ飛ばすだけではなく強い球を打ちたい」

「できるだけ自分の体の前に腕があるようにしたい。スピン量をコントロールし、低い球も打てれば、風に弱いという課題も克服できる。理論は習得できたのであとはやるだけです」

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週刊ゴルフダイジェスト2026年4月21日号より