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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.263 世の中の“当たり前”を疑え

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Hiroaki Arihara

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  • 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Tadashi Anezaki >>前回のお話はこちら 昨年の暮れにジャンボさんが亡くなられましたが、1年前の1月14日には陳清波さんが亡くなられました。陳さんは台湾の淡水ゴルフクラブ(現:台湾G&a……

ゴルフやってたら、当たれへん、飛べへん、アプローチしたらざっくり……そんな不調や悩みなんかは当たり前のようにあります。でも若い頃のそれと、歳いってからのではちょっと違っていて、僕自身、60歳から 63、64歳くらいまでのスランプが一番ひどかったです。プロアマも回られへんくらいでしたから。

やっぱりスウィングを追究するがあまり、いろんなことをやるんですよね、プロは。それはね、“わからん”からやるんです。

うちの先生(高松志門)みたいに「もうわかったから、いろんな球を曲芸で練習すんねん」というんとは違って、「なんにもわからんから、そんならもっとこうやったらええんちゃうか」と、やってしまうんですね。


政治や文化のことでもそうですし、ゴルフのスウィング理論の話でも、誰もが絶対的に正しいと思うことに対して、「それ本当か」と疑問を持つことはすごいことです。ガリレオ・ガリレイですよ。

たとえば、頭残せ、ボールを見ろ、肩を回せといった昔から言われてきたことに対して、「でもそれってちょっとおかしいんちゃう」という疑問を持った人は“自分流”というものができてくるわけですよね。

昔から言われてきた理論が正しいとは限らんわけで、「いやそれおかしいんちゃう」と言い続けていたら、「なんかしらんけどわかったわ」みたいになるかもしれないしね。

大体、ゴルフで成功してるんはそういう人が多いです。いくら万人に認められた理論やスウィングでも、私には合わない、僕には合わない、世間の当たり前が私には合わない、そう思ってやっているヤツが成功するんです。

松山(英樹)くんのトップの位置は素晴らしい、みんなそう思っているでしょう。でも、松山くん自身はアソコがよいトップの位置やと思ってやってないかもしれないですよ。ただこうやって上げたらココやったというだけでね。

だから動画や写真で見てスウィングの形をマネしてもしょうがないというんはわかりきっているけど、でもやっぱりみんなそれ見るわけですよね。わかっていても見る。

理屈では上手くならんというんは確かですからね。常識を疑え、習うより慣れろ、です。

「松山くんのトップは素晴らしい。でも、誰かをマネしてできたわけやないと思います」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2026年2月24日号より