「きっかけは“優勝”」「目標をトイレに…」QTトップ通過・倉林紅ってどんな選手?【注目ルーキーインタビュー】
月刊ゴルフダイジェスト
25年のプロテストに4位で合格し、同年のQTでトップ通過を果たした倉林紅。「笑顔でプレーしいるところを見てほしい」と話すが、いったいどんな選手なのか?
PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/メトログリーン東陽町

東日本大震災から
始まったゴルフ人生
女子ツアー史上、藤田光里以来となるプロテスト合格と同じ年のQTでトップ通過を果たした倉林紅。ゴルフを始めたのは6歳のとき、きっかけは東日本大震災だったと倉林は話す。
「私の自宅は幸い、それほど被害がなかったんです。そのとき父に『何か新しいことにチャレンジしよう』と言われて、大好きな兄と同じことをしたくて兄が好きだったゴルフを始めようと思ったんです。最初はわけもわからず、兄の真似をして付いていっただけでしたが、通い始めたジュニアスクールが幼稚園生から高校生まで一緒に練習する環境で、年上のお兄さんやお姉さんが遊んでくれるのがとにかく楽しくて。気づけば毎日練習場に通うようになっていました」
“たまたま”始めたゴルフだが、1年後に初めて出た大会で“優勝”を味わうことに。そこですでにプロを意識するようになった。
「優勝といってもスコアは137。低学年の部で出場したのですが実は参加者が私1人しかいなかったんです(笑)。それでも皆の前で表彰されたのが本当に嬉しくて。『優勝ってこんなに嬉しいんだ!』という感動と、もともとの負けず嫌いな性格が重なって、すぐに『もっと上手くなって、プロになりたい!』と思うようになったんです」
倉林’s アイアンスウィング

3度目の挑戦で
つかんだ夢への第一歩
しかし、プロへの道はそう簡単ではなかった。1度目のプロテストは2次で1打足りず、2度目のプロテストは最終で落ちてしまう。ゴルフをしていて初めて大きな挫折を経験した。
「1回目のときは高校3年生だったこともあり、『まだチャレンジャーだから』とすぐに受け入れられました。でも2回目に落ちたときは精神的にもかなり追い込まれました。ですが落ちたからこそオーガスタ女子アマなど、海外の試合に挑戦することもできたし、そこでたくさんの刺激をもらいました」
特に変化したのはメンタルの部分。それまでは調子を崩すと悪いほうに目を向けてしまう自分がいた。その考えが大きく変わったと話す。
「『調子が悪い時こそ、良い部分に目を向ける』ようになり、今は『自分にできることを全力でやろう』と切り替えられています。合格した瞬間、自然と涙が出たのですが、それまでの苦しさが報われた安堵感からだったと思います」
メンタルや考え方の変化はある習慣が大きいという。
「父と毎年行っている習慣に“目標の可視化”があります。お正月に『現実目標』と『挑戦目標』という2つの目標を立て、それを達成した自分のイメージ写真と一緒にトイレに貼るんです。昨年掲げたのは、現実目標が『プロテスト合格』、そして挑戦目標が『トップ通過』。さらにその後のQTの目標も立てていました。毎日トイレでそれを見て、さらにその下には過去一番悔しかった時のスコアカードも貼って自分に喝を入れ続けました。そのおかげで、目標も達成できましたし、メンタルも強くなっているんです」

3度目の挑戦となったプロテストは4位合格!
プロテスト3日目の夜は不安に押しつぶされそうだったと語る倉林だったが、トータル-7のスコアで見事合格した。またプロテスト合格と同じ年にQTトップ通過を達成したのはJLPGA史上2人目となる快挙。「この勢いのままレギュラーツアーで初優勝を狙いたいです」
攻めのゴルフを
楽しんでほしい
小1のころに描いた夢は20歳で現実になった。彼女はこの先どんな“プロゴルファー”を見据えているのか?
「私のプレースタイルは、“攻め”です。アイアンが得意なので常にピンをデッドに狙っていきたい。ピンしか見ていないのでハマれば爆発的なスコアが出ますが、逆の意味でスコアが爆発することもあります(笑)。見ていてハラハラするかもしれませんが、そこを楽しんでもらいたいですね。あとは笑顔。ファンの方から『楽しそうにプレーしているのがいい』と言ってもらえるような、笑顔を絶やさないプロになりたいと思っています」
プロ1年目の目標はもちろん初優勝。その先はシード権獲得だが、もっと大きな夢も持っている。
「私が育った宮城、さらに言えば東北をもっと盛り上げたい。私が活躍することで『地元からでもプロになれるんだ』という夢を与えられたら嬉しいです。 ゆくゆくは年間女王になって、海外ツアーにも挑戦したい。 攻めの姿勢を崩さず、新しいステージでも全力で戦っていきます!」
長年愛用する信頼度の高いアイアン
アイアンは22年発売のヨネックス「EZONE CB511 フォージド」を使用。「私の生命線であるアイアンショットに貢献してくれています」

<もっと聞きたい! 一問一答>
Q. ゴルフを始めた年は?
A. 6歳
Q. ニックネーム
A. 紅ちゃん
Q. どんな性格?
A. かなりの負けず嫌い
Q. 趣味は?
A. 愛犬と散歩、ネイル、アニメ
Q. 好きなタイプ
A. 私がわがままなので心が広い人
Q. 尊敬するゴルファーは?
A. イ・ボミ
Q. 得意クラブは?
A. ショートアイアン
月刊ゴルフダイジェスト2026年3月号より


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