【対談】松山英樹×片岡尚之<後編>「自信がある球を、全番手で打てるように」
週刊ゴルフダイジェスト
昨年日本オープンを制し、今年初めてマスターズに挑戦する片岡尚之。2021年のマスターズチャンピオンにして東北福祉大の先輩・松山英樹に、マスターズの心得を引き続き聞いていく。
PHOTO/Takanori Miki、Tadashi Anezaki、Yoshihiro Iwamoto

片岡尚之 かたおか・なおゆき。97年生まれ、北海道出身。19年プロ入り、21年に日本ツアーで初優勝。昨年の日本オープン(日光CC)でプレーオフに勝利し自身2勝目を挙げ、オーガスタへの切符も手にした
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- マスターズに14回出場し、2021年には優勝も経験している松山英樹を、今年初めてオーガスタを訪れる東北福祉大の後輩・片岡尚之が訪ねた。 PHOTO/Takanori Miki 松山英樹 まつやま・ひでき。92年生まれ、愛媛県出身。13年プロ入り、14年から戦うPGAツアーで11勝。16年には日本オープンでも勝利。22年にはグリーンジャケットに身を包み、前年優勝者としてシェフラ……
――今年、マスターズに初出場する片岡。21年に“優勝”という偉業を達成した松山のプレーは、テレビで見ていたという。
片岡 最後のパットを入れて「すごいな! 」と思った印象が強すぎるんですけど、でも最終日の18番のティーショット。あの状況で自分だったら絶対に左右どちらかの木に当たるくらい緊張すると思うんですけど、あの場面で真っすぐに打てた秘訣というか、どういう心境だったのかなと。
松山 あのシーンでは、これをやっておけば真っすぐ飛ぶということを、初日のスタート前から見つけていたから。やっぱり最終日の土壇場、ああいう状況になってくると、ドライバーのブレやアイアンのブレってすごく出てくる。17番で真っすぐパンと枠内に打てたことが18番のティーショットを打てた要因だし、ドローとフェードの違いはあったけど、そういった球筋をきちんと打てるというものが4日間変わらずにずっとあったから打てたというだけ。他の試合と同じようなメンタルの状況とか技術の状態で入ったら、あれは打ててはいない。
片岡 緊張はしていましたか。
松山 当然緊張はするけど、すごく落ち着いてもいた。やることに集中していた。優勝争いしていて緊張しない試合はないでしょう。
片岡 ないですね。

このオフも練習を重ねる片岡。フェースローテーションを抑えることや体とクラブ(手)を一緒に動かす“同調”を徹底的に意識し、シンプルなスウィングに変えた。「しんどい時期は続いたけれど、骨組みは終わり、肉付けをしている段階です」。だからこそ、松山の言葉がより響く
松山 日本オープンのときは?
片岡 いや、プレーオフのときはめちゃくちゃ緊張してドキドキしすぎて。でも松山さんはプレーオフでも強いイメージしかないです。
松山 うーん、まあ勝つか負けるかに絞られるから、ある意味ラクです。何かあっても2位以上は確定しているから。それまでの正規の72ホールまでは、バーディを取ったら追い付けるけど、ダボを打ったらどれだけ順位が下がるんだという話になってくる。優勝しか目指さない覚悟があればいいけれど、1打落とすとトップ10を外すという感じになると、やっぱり勇気は必要。その試合に対してどういう思いでやっているかにもよるけれど。
片岡 普段の練習ももちろんですけど、今回マスターズに出られるので、そこに向けて、どういう技術を上げれば通用するのかなと。
松山 片岡のゴルフをきちんと見ていないから正直わからない。先ほど話をしたパターの上手さも、パッと見た感じと、皆から聞いてそういう認識で見ているから上手いと思うだけで。実際オーガスタのグリーンに上がってどうなのかということは自分自身にしかわからないところ。僕が何を練習したらいいと言うことはあまりない。ただ自分で、マスターズを思って、どういうコースなのかを想像して、頭のなかでイメージして、どういう練習をしたらいいかを自分のなかで考えてやっていくしかないと思うから。
片岡 はい。普段の練習も聞いていいですか? ショット、パット……どういう練習が多いのかなと。
松山 オフシーズン?
片岡 シーズン中です。
松山 シーズン中はほぼ一緒なんだけど、月曜にコースに入って、練習ラウンドするかしないかは決まってないけど、月曜日でもまず打つ。パターして、ショットもウェッジから打っていって全番手打って、アプローチに行ってまたパターして。火曜日は試合と同じ時間を使ってラウンドする。終わった後にまた同じような練習をするけど、そのコースに合った、たとえばクラブを替えなければいけないコースだったら、その練習を少し多めにしたり、今週グリーン周りが大事だから転がしの練習を多めにしようとか、上げるほうが必要だから上げるほうを多くしよう、くらいしかやっていない。
片岡 試合のときはやっぱりコースに対応するような練習が多いということですね。
松山 基本は変わらないけど多少は増える。ただ、自分が思う、こういう球筋での基本的なショットが打てたら、そこに自信を持っていれば、あとは全部打てると思っているから、その自信のある球を打つことをしっかり全番手でできるようにしている。これをシーズン中にできるようにすることはムリだと思うけど、そういう基本的なことはきちんとやって、試合のスタート前はそのコースをイメージして練習していく。
片岡 オーガスタは開幕の1週間前には行けるので、そこでまずはコースをしっかり知りたいと思います。PGAで長くほぼ1人という状況で戦われてきて、自分で試行錯誤して自分でつかんでこられた。だからこそ、「こういうふうにしたらいいよ」ではなくて、「自分で気づいてやるのが大事だ」と言ってくださった。やっぱり、それが大事だし、自分で見つけてやらないと上達しないなと思いました。マスターズでは、ぜひ練習ラウンドをお願いします。もっといろいろと聞かせてください。
松山 はい、もちろん大丈夫です。
片岡 次回はアメリカでよろしくお願いします!
今年はソニーオープンで始動。PGAツアーでも「練習の虫」と言われることについて聞くと、「僕は練習量、そんなに多くないです。でも、練習をしたほうが自信にもつながるし、する内容によってはムダなことも多くなるけど、それも含めて練習量は大事だと思います」(松山)


週刊ゴルフダイジェスト2026年2月3日号より


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