【スウィング研究】佐久間朱莉「トップの“ちょい浮き上がり”が飛距離を生む」
“超”連続写真館
2025年の年間女王に輝いた佐久間朱莉のドライバースウィングをプロコーチの奥嶋誠昭がじっくり解説!
PHOTO/Hiroyuki Okazawa

解説/奥嶋誠昭
おくしま・ともあき。コーチとして稲見萌寧や高橋彩華などに帯同経験あり。現在は「THE REAL SWING GOLF STUDIO」でレッスンを行う
左腕が常に体の正面にある
佐久間プロの一番の特徴は左腕と胸の位置関係がスウィング中ズレない、つまり、体の正面にクラブがあり続けるということです。ズレないということは当然、スウィングの再現性が高くなるので、シーズンを通して安定した力を発揮でき、年間女王を獲得できたのだと思います。
左腕と胸の位置関係がスウィング中にズレない大きな要因は体の回し方です。バックスウィングでは胸を右に、ダウンスウィング以降は胸を左に向けるだけのかなりシンプルな動きです。そしてこの動きに対して左腕は使わずに“ついていくだけ”なので軌道が安定するというわけです。まさに、腕をまったく使わずに体の回転だけで振っているスウィングなので、無駄な力みが入らず再現性が高くなるのです。
佐久間朱莉の1Wスウィング(正面)
佐久間プロの代名詞といえばゆったりバックスウィングを上げる動きですが、この動きは左腕と胸の位置関係を崩さないためのものです。打ち急ぎの傾向がある人なども試してみる価値がある動きです

<使用クラブ>
ピンゴルフ「G430MAX 10K」(ロフト9度)
トップ時の“ちょい浮き上がり”が
飛距離を生む
佐久間プロは身長155cm(メルセデス・ランキング50位以内の平均は162cm)と女子ツアーのなかでも小柄ですが、安定感にプラスして、ドライビングディスタンス10位(250.29Y)の飛距離も女王になれた理由のひとつでしょう。この飛距離の秘密はトップ時の“ちょい浮き上がり”にあります。
バックスウィング時の頭の位置よりもトップ時の頭が若干浮き上がっています。この動きがあることでダウンスウィングから下に踏み込む力が出しやすくなり、反力を多く使うことができるというわけです。大事なのは浮き上がりが“若干”ということ。確かに上下の動きが大きいほど踏み込む力は強くなりますが、その反面、安定性も失ってしまいます。だからこそ“若干”に抑えることで安定性をキープしながら飛距離を出すことができるのです。
佐久間朱莉の1Wスウィング(背面)
「ダウンスウィング時点から右足つま先で地面を蹴り始めているのがわかる。軸は保ったまま足の中で重心移動を行うことで入射角が安定したままボールに最後のひと押しをすることができています」
月刊ゴルフダイジェスト2026年2月号より


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