【ベイカレント観戦レポート】<佐藤信人>「トップ選手ほど、地道な練習をしています」
週刊ゴルフダイジェスト
10月9日から横浜カントリークラブで開催されたPGAツアー「ベイカレントCレクサス」。今年このコースで戦った学生アマと、PGAツアーに精通する佐藤信人が、それぞれの“目”で見たプレーや選手についてをレポートする。
PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Hiroaki Arihara

- 10月9日から横浜カントリークラブで開催されたPGAツアー「ベイカレントCレクサス」。今年このコースで戦った学生アマと、PGAツアーに精通する佐藤信人が、それぞれの“目”で見たプレーや選手についてレポートする。 PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Hiroaki Arihara 竹原佳吾 たけはら・けいご。2003年生まれ、神奈川県出身。7歳でゴルフを始める。早稲田……
佐藤信人の“目”は大会前の選手のSNSチェックから始まる。
「B・ホーシェルがXで、娘さんのために“ラブブ”が買えるところを探していると。調べると人気のキャラクターグッズなんですね。お店情報を検索してツイートしてみましたけど、買えたかな(笑)」
さて、練習日にコースに入った佐藤。遠目ですぐに、どの選手かがわかるという。さすがマニアの目。「歩き方やフォルム、スウィングリズムを見たらわかります。それぞれのクセがありますから。後は、選手の名前のスペルを間違えずに書ける選手権があったら僕が優勝するはず(笑)。コリン・モリカワのスペルにLが2つ入っていること(Collin)などはなかなかわからないでしょう」。
パッティンググリーンへ。多くの選手・キャディが「水平器」を持っていることをチェック。「最近皆、持ってきて測って練習しますよね。エイムポイントをする選手がまた増えたんですね」
また、基本のパッティング練習を繰り返す選手たちを見て「トップ選手ほど地道な練習をしっかり行いますよね」
続いてドライビングレンジへ。まず気づいたことは、「皆、ショートパンツの丈が短いですね。流行でしょうか」。そして佐藤が気になるスウィングは、「飛んで上手い人。ドライバーショットが下手だからチェックしてしまうんですよ」。
現在、飛距離8位(316Y)のC・ゴッタラップが右手に練習器具を付けている姿を見て、「手首が折れすぎないように、右手首の角度をチェックしながら練習しているんでしょうね。コリンが『なんのためか』と聞いたら、『クセでクロスに入る。コンパクトな位置で止まるようにしたい』と答えています。あとは、左手のグローブのテープを止めないのは“手嶋多一派”ですね。窮屈なんでしょう。フィーリングの問題ですね」
クリス・ゴッタラップ

次にNo.1の飛ばし屋ポトギーターが練習開始。「すんげー!」が第一声。「お相撲さんみたいで筋肉が柔らかそう。スウィングも柔らかいです。何も考えてない感じがいい。プロはいかに余計なことを考えないかも大事なんです。それにしてもタメがすごい。手がアドレスの位置に戻ってきても、まだクラブが右にある感じでしょう」
もちろん、元来佐藤が好きだと公言する“地味め”プロも要チェック。PGAで一番飛ばないのに今年2勝をゲットしたB・キャンベルを見て、「いぶし銀。スーツを着たらサラリーマンみたいです。でも、いい音がしますよね。ヘッドスピードはそれほどないんでしょうけど、スウィング中に手首の無駄な動きがない。正確性、球の質にこだわり、コントロールを重視してきた感じ。距離感が抜群にいいです」
そして、今年好調のアレックス・ノレンに関しては、
「やっぱり、“カット打ち”ドリルやっていますね。もともとつかまるすごいフッカー。かなり極端にカット打ちの訓練をするため、いつもこの練習をやっています。手をすごく低くして、左に振り抜いてカットフェードを打つイメージを染み込ませているんでしょう」
ゴルフファンの皆さんには、ぜひ間近でトップ選手の練習や球筋を見てほしいという佐藤。自分のゴルフ上達のためはもちろん、キャラクターを知れば、また違う面からゴルフを楽しめる。
「シードボーダーラインの選手たちの必死さが伝わってきますね。海外選手、特にアメリカ勢は、プレーに集中するため、試合がある週の火曜日、水曜日はあまりオーバーワークはしません。試合のない週に打ち込んでいます。ただ、でも、松山英樹選手などはハードワーカーとして知られていますし、ビジェイ・シンやアレックス・ノレンなども同じ。どちらかというと欧州の選手に多いのかなと思います。それにしても、練習器具を持たずに“素”で練習している選手はほとんどいません。日本ツアー以上だと思います。これもゴルフの進化なんでしょうね」
アルドリック・ポトギーター
ボールにラインを引き、地道なパット練習をする。「クロスハンド。池田勇太プロと似たグリップです」。ドライバーはティーを低くしてアッパーに打つ。一度こっそりデータを見ると、「340Y、アッパー6度、クラブスピード130.1mph、ボール初速194.9mph、アタックアングル6.4度」 のデータが!


アレックス・ノレン
今年復活したノレン。番手ごと3球ずつ打ってはポジションを確認する。「軌道と振り抜くラインのイメージを確認しています。彼もかなりのハードワーカーとしても有名です」
週刊ゴルフダイジェスト2025年11月4日号より


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