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【江連忠のPROJECT E】Vol.265 安田春雄「見ていて気持ちがいいダイナミックな体使い」

片山晋呉や上田桃子など、数多くのトッププロを世に送り出してきた江連忠が、自身の経験をもとに、レジェンドのスウィングに宿った“本質”を語る!

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/GD写真部

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●今月のレジェンド●

安田春雄

1943年東京都出身。日本ツアー15勝、アジアツアー3勝、シニアツアー3勝。中村寅吉の一番弟子でアイアンの名手。22年日本ゴルフ殿堂入り


体とクラブの運動量
どちらも大きいのが秀逸

フットワークの大きさや“逆C”のフィニッシュなど、いわゆる“昭和っぽい”スウィングですが、僕は個人的に大好きです。

例えば現代のコーチがこのスウィングを見たら、顔が後ろに向くところや、インパクトで左ひざが流れているところ、フェースローテーションの大きさなど気になる部分がたくさんあるかと思います。

しかしそれらを上回るいい部分がたくさん見て取れるのです。


僕が特に好きなのは右ひじに余裕のある構えや、その右腕が柔らかいまま下半身で上げるバックスウィング、背中は回り切っているのにクラブはコンパクトに収まっているトップなどです。

そして何よりダイナミックに体を使い切っているところがとても痛快。

さらに素晴らしいのがこれだけ体を使いながら、クラブもしっかり走らせているところです。

これだけ大胆なスウィングは、作り込まれたものではなく、自分が気持ちよく振っているだけだと思います。だから見るほうも気持ちいいのです。

目を閉じた素振りで
当てる意識をなくす

派手なパフォーマンスで
魅了するエンターテイナー

江連忠

江連忠

1968年生まれ。東京都出身。高校を卒業して渡米し、ミニツアーを転戦しながらジム・マクリーンに師事したのち帰国。日本のプロコーチ第一人者となり、片山晋呉や上田桃子を賞金王に育て上げた

月刊ゴルフダイジェスト2025年11月号より