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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.244「これぞメジャー! 大洗のコースコンディションは素晴らしかったです」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Hiroyuki Okazawa

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  • 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Yasunari Okuda >>前回のお話はこちら 新型コロナウイルスが流行っていた頃に多くなったインドアゴルフスタジオですが、爆発的なブームはひと段落したものの、相変わらず人気があると聞き……

SONY日本女子プロゴルフ選手権は、金澤志奈さんが桑木志帆さんとのプレーオフを1ホール目で決着つけて優勝しました。初優勝がこのメジャーやったということですから、喜びもひとしおでしょう。

優勝した金澤さんのゴルフも見事でしたが、テレビ観戦ではありますが試合を見ていて感じたんは、会場の大洗ゴルフ倶楽部のグリーンキーパーの凄腕が見て取れる、コースコンディションの仕上がりの素晴らしさです。今夏の猛暑、異常気象のなか、メジャー競技にふさわしい素晴らしい舞台を造られたと思います。

ゴルフは自然の中の戦いと言われるけれど、何も手をつけてない原野でやっているわけではなく、大洗という難攻不落のコースレイアウトを最高に生かすんはキーパーの力が大きいのです。

その意味でも、今回の日本女子プロ選手権は、ゴルフ場の管理、キーパーの方々にも大拍手でした。


観戦していてワクワクするような、本来のゴルフ力を試されるメジャーにふさわしいコース設定の試合やったと思います。

海沿いのコース特有の風が強く吹くし、ショットの精度がむちゃくちゃ問われるロケーションで、ショットでは高・低、フック・スライス、転がす・止めるといった対比的な打ち方が求められ、あらゆるライからのアプローチが試される、これぞザ・メジャーセッティングやと思わせてくれました。

昨今は、邪魔な木は切る、間口の狭いところは伐採する、狭いフェアウェイは広げる、難しいバンカーは埋めるなど、プレーヤーがやさしく回れてよいスコアが出るように改造を施して集客に努めるコースが増えているなかで、コースが持つ本来のよさと難しさを上手に残してゴルファーを迎え入れるセッティングは、さすが名門・大洗ゴルフ倶楽部です。

いいゴルフコースはそのホール、ホールがプレーヤーに語りかけるもんです。「この球でここに来なさい!」と。

そういうゴルフ場で、コースの語りかけに応じるような球が打てるようになることが、ゴルフの腕前を上げるいうことです。

みなさん、ゴルフの原点を見直しましょう! 僕も今年65歳ですが、まだまだ腕を磨きたいです!

「コースを味わうんも、メジャー観戦の醍醐味やと思います」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2023年2月7日号より