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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.234「日本女子が結果を出せる理由」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Tadashi Anezaki

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最近の日本の女子は、アメリカのツアーで頻繁に優勝争いに加わっています。すごいですよね。まあ、理由はいろいろあるやろうけど、まずは、日本の女子プロと女子ツアーのレベルが上がってるからでしょう。

日本人の得意とする、正確に飛ばすショットのテクニックが世界のトップの戦いで通用するレベルにあるということが証明されたいうことでしょうね。

あとは、数年前から向こうに行っていた選手が芝にだいぶ馴染んできているということも大きいんやないですかね。日本人からしたら、向こうにいないと馴染みのない芝なんかがありますから、なかなか対応できないもんです。だから女子も男子もスポット参戦で上に行ける人は少ないんが現実でしょう。ただ女子は参戦後2~3年してコースも経験し、芝にも大方慣れてきた選手が今、向こうで活躍できているということやないかと思います。


ただね、今季から参戦している竹田麗央とか岩井姉妹とかはどうなんや、芝に慣れる前にアメリカに行ってすぐに結果を出しとるやないかという人もおると思います。

では彼女たちは何で勝てるんかというと、それは圧倒的な飛距離ですよ。彼女らは飛びますからね。そりゃあ2打目で、クリークやUTで打っているところを、アイアンで打たれたら、全然、余裕が違います。向こうの飛ぶ選手と遜色ない飛距離があって、それに小技も上手いときたらそら勝てます。

一方で古江彩佳なんかは、あの子は飛ばんのに、ティーショットを正確に飛ばせたり、2打目以降のショットの上手さが強みです。要するに、今の日本の女子が強いんには、いろんな背景があるいうことです。

日本の男子は現状、アメリカでコンスタントに勝てるんは松山(英樹)くんくらいですよね。

男子の場合、やっぱりある程度、体が関係してきますから。(石川)遼くんなんかも、頑張って体を大きくしたけど、やっぱり線が細かったからね。

松山くんはだいぶ大きくなりましたから。1~2年、ちょろっとよくても、松山くんみたいに5年、10年活躍できるかいうたら、そらなかなか難しいです。やっぱり排気量の大きさは関係あると思いますね。

「飛距離、小技……いろんな要素がありますけど、ニッポンの女子たちは強くなりましたわ」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2025年7月22日号より