【スウィング研究】石川遼「掌屈でフェースの開閉を抑えつつ、体の回転で飛ばす」

日々スウィングを研究し、その研鑽に余念がない石川遼。秒間120コマの超ハイスピードで撮影した最新のドライバースウィングを、プロコーチの柳橋章徳氏が解説!
PHOTO/Hiroyuki Okazawa

解説/柳橋章徳
やぎはし・あきのり。臼井麗香などを教える傍ら、アマチュアのレッスン、そしてスウィングの研究など最先端の知識を取り入れるプロコーチ
フェースの開閉を抑え
体の回転で飛ばす動きに
スウィング改造以前はフェースの開閉を上手く使って打っていた印象のある石川プロですが、今は開閉をできるだけ少なくしたスウィングになっています。おそらく左へのミスを消すためにこのスウィングに取り組んでいるのだと思います。
その象徴的な部分が左手の使い方。左手首を手のひら側に曲げる“掌屈”を積極的に使っているのがわかります。早い段階で掌屈を入れると、ひじから手首の回旋を少なくできるので、フェースはシャットのまま体の回転で打っていけます。つまり、フェースの開閉が抑えられ左のミスが少なくなるというわけです。
安定感を得られる一方でスピードが出にくくなるというデメリットもあります。そこで、切り返し時に左足を強く踏みこむことで大きな地面反力を得、さらに背筋などの大きな筋肉を目一杯使うことで、体の回転スピードを高めているのです。

「ELYTE X」を選んだ理由も開閉を抑えたいため
「♦♦♦」ではなく「X」を選んでいるのは、フェースの開閉が少なくなった分、クラブの性能でつかまえたいという意思の表れです
石川遼の1Wスウィング(後方)
月刊ゴルフダイジェスト2025年8月号より