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【スウィング研究】西郷真央「強い捻転と歯切れのいい動きで飛ばす」

いま注目すべきスウィングを、連続写真で徹底分析。今回取り上げるのは、今年シェブロン選手権を制し、米初優勝をメジャーで飾った西郷真央。

解説/横田英治
PHOTO/Blue Sky Photos

西郷真央 プロ3年目の2022年に国内初優勝を飾ると一気にブレーク。5勝してメルセデス・ランク2位に。昨シーズンから米女子ツアーに主戦場を移している

体の重心とクラブが引っ張り合う

2023年末に米女子ツアーのQスクールを突破し、昨年から海外を主戦場にしている西郷。昨シーズンは優勝こそなかったが、2位が2回、トップ10は7回と力を発揮してポイントランキング9位、見事シード権を獲得した。そして2年目の今季、4月末のシェブロン選手権で優勝し、日本選手5人目のメジャーチャンピオンとなった。一昨年の絶不調期からカムバックし、さらに強くなった西郷のスウィングを、横田英治プロに解説してもらった。


「日本にいた時から思い切りのいいスウィングが魅力の選手でした。元々目立ったクセがほぼないオーソドックスなスウィングで、2年前のドライバー不調時は思ったような成績が出せませんでしたが、スウィング自体はそれほど悪くはなかった。アメリカに行っても自分のスウィングを追求し直し、経験を積んだことがメジャー優勝につながったと思います。

始動からリストの動きを最小限に抑えて右足に体重を乗せながら大きなアークを描くことができるため、トップでは背中の張りや服のシワがすごく感じられます。これは捻転差が大きい証拠です。

テークバック後半からトップにかけて、荷重が早めに左足寄りに移り、そこから頭を後ろに残しながらインパクトに向かっていくため右足に体重が戻ります。連続写真で見ると、『ぎっこんばったん』のリバースピボットのように見えますが、動画で見ると歯切れのいい動きでバランスがいい。クラブの動きと反対側に頭を動かしているのが分かりますが、こうすることで体の重心とクラブの動きに引っ張り合いが生まれ、クラブ軌道の安定とヘッドスピードの上昇につながります。アマチュアの皆さんも参考にするといいと思います」

勢いに乗ったら止められないのが西郷の強み。シェブロン選手権に続いて全米女子オープンも制して、海外メジャー連勝もありえる!?

西郷真央の1Wスウィング(正面)

西郷真央の1Wスウィング(後方)

週刊ゴルフダイジェスト2025年6月10日号より