日本勢は21人が出場 「全米女子オープン」開催コース&出場者を一挙紹介

1946年に初開催され、今年で80回目を迎える全米女子オープンが今週開幕。2017年に全米オープンを開催したエリンヒルズを舞台に21人の日本人選手が挑戦する!
PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa、 Shinji Osawa、Getty Images、USGA

2017年全米OP開催の難コース
今年で80回目の開催を迎える全米女子オープンは、ウィスコンシン州にあるエリンヒルズが戦いの舞台となる。同コースで開催された17年全米オープンの中継で解説を務めた、内藤雄士プロにコースについて聞いた。
「エリンヒルズは2006年開場の新しいコースですが、スコットランドのオールドリンクスを彷彿とさせます。遮るものが何もないため風の影響を受けやすい。午前中は比較的穏やかなのですが、午後になると一変して、風速7〜8mの風が吹きます。スタート時間によって難度が変わるので、とくに予選は組み合わせにも左右されます。
フェアウェイはかなり広いのですが、大きく外すと長いフェスキューが生い茂っています。普段から伸ばしっ放しのイメージで、女子の試合だからといって短く刈り込むことはないと思うので、曲げないことが最優先です。全米オープンが始まる前にローリー・マキロイが『フェアウェイを外すやつなんているのか?』と言っていましたが、実際には風に流されてラフに持っていかれる場面も多かった。うまく風を計算したマネジメントが必要不可欠です。
またグリーンは各ホールで形や大きさが極端に異なり、ガードバンカーに囲まれていたり、アンジュレーションが大きくつけられていたりとどれも個性的。いかにグリーンを攻略するかも勝負を分けるポイントです。
17年全米オープンでは、ブルックス・ケプカが優勝しましたが、2位タイにブライアン・ハーマンが入り、トミー・フリートウッドが4位、リッキー・ファウラーが5位タイだったように、高い球が打てるパワーのある飛ばし屋の選手が有利なコースではありません。日本人選手は曲がらない選手が多いので、そういった意味で日本人選手と相性がいいコース。十分優勝が狙えます」


エリンヒルズ
(米・ウィスコンシン州)

2017年の全米オープンはケプカが優勝
17年全米オープンでは、ブルックス・ケプカが最終日に5つスコアを伸ばし逆転でメジャー初制覇。最終日に6つスコアを伸ばした松山英樹が2位タイに入った。優勝スコアは16アンダーだったとはいえ、タフなセッティングに選手たちは苦労した
日本勢は21人が出場!
メジャーを制した4人
※成績、スタッツなどは5月22日時点
西郷真央(23)
25年シェプロン選手権

昨季は米女子ツアー1年目にしてトップ10入り7回など活躍し、小林浩美以来日本人2人目のLPGA新人賞を受賞した。今季もメジャーで優勝するなど才能が開花。出場した9試合で予選落ちは1度のみと抜群の安定感を発揮。
笹生優花(23)
21・24年全米女子OP

予選落ちが4回と今季ここまで本調子ではないが、昨季は全米女子オープンの前哨戦「みずほアメリカズオープン」の予選落ちからメジャー制覇している。持ち前の勝負強さで大会連覇と3勝目なるか!?
古江彩佳(25)
24年アムンディ・エビアン選手権

メジャーを制覇した昨シーズンは、シーズンの平均ストロークがもっとも少ない選手に贈られる「ベアトロフィ」を日本人で初めて受賞。23、24年大会の2年連続で6位タイに入っているが、今大会はさらに上位を狙う。
渋野日向子(26)
19年全英女子OP

ここ数年は成績不振に苦しんだものの、昨年の全米女子オープンで2位に入ると、続く全米女子プロでも7位タイと大舞台で強さを見せ、シードに復帰。今季はここまで苦戦しているが、完全復活なるか。
誰が勝ってもおかしくない! いずれ劣らぬ実力者揃い
岩井明愛(22)

今季LPGAで2位が2回
●今季の最上位成績/JMイーグルLA選手権など2位 ●出場回数/3年連続3回目 ●出場資格/3月24日時点での世界ランク上位75名
小祝さくら(27)

24年全米女子OP9位タイ
●今季の最上位成績/アクサレディス2位 ●出場回数/2年連続4回目 ●出場資格/2024年大会トップ10
畑岡奈紗(26)

過去3大会でトップ10
●今季の最上位成績/JMイーグルLA選手権6位 ●出場回数/8年連続8回目 ●出場資格/2024年CMEグローブランキング上位30名 etc
竹田麗央(22)

LPGA新人賞最有力候補
●今季の最上位成績/ブルーベイLPGA優勝 ●出場回数/2年連続2回目 ●出場資格/24年大会トップ10 etc
鈴木愛(31)

初出場は15年大会
●今季の最上位成績/ブリヂストンレディス4位 ●出場回数/2年連続7回目 ●出場資格/3月24日時点での世界ランク上位75名
桑木志帆(22)

海外メジャー初挑戦
●今季の最上位成績/ヤマハレディースオープン葛城5位タイ ●出場回数/初出場 ●出場資格/3月24日時点での世界ランク上位75名
河本結(26)

過去2大会で予選通過
●今季の最上位成績/富士フイルム・スタジオアリス2位タイ ●出場回数/2年連続3回目 ●出場資格/3月24日時点での世界ランク上位75名
岩井千怜(22)

米参戦8試合目で優勝
●今季の最上位成績/リビエラマヤオープン優勝 ●出場回数/3年連続3回目 ●出場資格/3月24日時点での世界ランク上位75名 etc
西村優菜(24)

滑り込みで出場権を獲得
●今季の最上位成績/T-モバイルマッチプレー 35位タイ 出場回数/4年連続5回目 ●出場資格/米ミネソタ州予選補欠繰り上がり
馬場咲希(20)

プロ転向後初海外メジャー
●今季の最上位成績/フォード選手権6位タイ ●出場回数/2年ぶり3回目 ●出場資格/米ハワイ州予選通過
勝みなみ(26)

今季パッティングが好調
●今季の最上位成績/Vポイント×SMBC3位タイ ●出場回数/2年ぶり5回目 ●出場資格/米ミネソタ州予選通過
山下美夢有(23)

24年全米女子プロで2位タイ
●今季の最上位成績/JMイーグルLA選手権3位タイ ●出場回数/3年連続3回目 ●出場資格/3月24日時点での世界ランク上位75名
日本予選を通過した6名
サイ・ペイイン(34)

昨年と同じく、予選会で見事出場権を獲得。3回目の出場となる今回、初の予選突破なるか
林 菜乃子(28)

18年国内下部ツアー優勝。今季は出場試合が限られるなか、ヤマハレディースで27位タイに入った
池羽陽向(22)

5度目の挑戦だった昨年のプロテストは2次で敗退。その後、オーストラリア女子ツアーのQTを突破
泉田琴菜(25)

中学時代、米国にゴルフ留学。昨年、ジャンボ尾崎に師事。今季アクサレディスで自己最高4位タイ
長澤愛羅アマ(17)

ルネサンス高校3年、ナショナルチームのメンバー。昨年日本女子アマと日本ジュニアを制覇
木村葉月アマ(22)

補欠繰り上がり
中嶋常幸主催のヒルズゴルフトミーアカデミーで学び、昨年出場した下部ツアーではトップ10入り。補欠繰り上がりで全米女子出場権をゲット
週刊ゴルフダイジェスト2025年6月10日号より