【名手の名言】ジーン・サラゼン「テークバックが大きい人にパットの上手い人はいない」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は、世界で初めてグランドスラムを達成した名手ジーン・サラゼンの言葉を2つご紹介!

テークバックが大きい人に
パットの上手い人はいない。
パットの名手は例外なく
テークバックは必要最低限に小さい
ジーン・サラゼン
パットの秘訣を語る「言葉」は数多くあるのだが、サラゼンの言葉で興味深いのは、このことが球聖ボビー・ジョーンズをして、若くして引退させた原因であると述べていることだ。
同時代にライバルであり、出身階級も天地の差がありながら、仲のよかったジョーンズとサラゼン。そのサラゼンのジョーンズ評。
「すべてにおいて優れていた。特にロングゲームの素晴らしさは誰も寄せ付けなかった。しかし、欠点があるとすれば、パットだった。テークバックが大きすぎたのだ」
テークバックが大きすぎると、インパクトで微妙な力加減を調節しなければならなくなる。タイミングをつかむのも難しくなる。テークバックが小さければ、インパクトで力加減を調節することもなく、常に同じリズムで打っていける。
それで届かなければそれに見合うようにテークバックをちょっとだけ大きくしていけばよい。そのような意味をサラゼンは述べている。
さらに、テークバックが大きくてもパットが上手いのは若いうちの感覚が鋭いときだけであるとも、サラゼンは分析している。
ジョーンズは競技生活の晩年、パットで苦しんだのは事実。28歳の若さで引退したのはグランドスラムを達成した“キリ”のよさもあったろうが、大きすぎるテークバックゆえに、加齢して感覚の鈍ったパットの不調にあったと、サラゼンはみていたのだ。
そういえば、パット名手といわれた帝王ニクラスも、ベン・クレンショーも、日本の青木功も、小さなテークバックをしていた。
■ジーン・サラゼン(1902~1999年)
ニューヨーク州ハリソン市にイタリア系移民の長男として生まれる。貧しい家計を助けるため10歳でキャディになる。17歳で学校は中退。大工の見習いになるが、大病。その後パブリックゴルフ場に務めプロゴルファーへの道が開けた。20歳のとき、「マッチの鬼」といわれたウォルター・ヘーゲンを破り全米プロに勝ち、メジャー初勝利をもぎとる。28年全英オープン、30年全米オープン、33年にはあの有名な15番のダブルイーグルでマスターズを制覇し、世界で最初のキャリアグランドスラマーに。日本では「ジュンクラシック」のホストとしても親しまれた。
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