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【新春ワイド特集2025】LPGA最終予選会で過去最多の5人が合格!

ここ最近の国内外のゴルフ界には新しい流れが確実に起きているようだ。そしてその流れは、一時的なものではなく男子、女子にかかわらず、しっかりと根付いている。そんなゴルフ界の“ニューウェーブ”について、恒例の小誌ご意見番、タケ小山、内藤雄士の両プロに語ってもらった。

PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa、Takanori Miki、Yasuhiro JJ Tanabe、Blue Sky Photos、Getty Images

タケ小山(左)……世界中のツアーに精通するプロ。TBS「サンデーモーニング」の解説者としてもお馴染み。小誌で「世界パトロール」を連載中

内藤雄士(右)……丸山茂樹のコーチとしてともに米ツアーを戦ったティーチングプロ。日本大学ゴルフ部コーチも務める。ハイランドセンター代表

●CONTENTS●
1. 米女子ツアー、ジェンダーポリシー再変更
2. 米女子ツアー最終予選に過去最多5人合格
3. 2025年PGAツアーに5人の日本人が参戦
4. PGAとLIVの統合はどうなった?
5. ミニドラブームと軟鉄鍛造アイアン回帰

LPGA最終予選会で
過去最多の5人が合格!

――まずは日本の女子選手のニューウェーブについてですが、24年末の米女子ツアーの最終予選会で、史上最多の5人の日本選手が合格しました。これはここ最近の大きな流れだと思います。

タケ 2016年に畑岡奈紗がQシリーズを突破して米女子ツアーへ挑戦したけど、それが今の流れの発端だね。黄金世代やその前後の世代の選手たちが、海外に目を向け始めたからね。

内藤 日本の女子選手の場合、男子とは違って国内のツアーが盛況なのに、なぜあんなに多くの選手が海外に出ていくのでしょうか。


タケ それはアメリカに行った選手が結果を出しているからだと思うよ。身近で戦ってきた選手が海外で活躍しているのを見て、私にもできるはずと思うからじゃないかな。とくに古江彩佳の活躍は大きい。飛距離が出ない古江があれだけ活躍しているのを見れば、勇気が湧く選手もいるはず。

――ベアトロフィ(年間最少平均ストロークのタイトル)も取りました。3年前のこの対談でタケさんは「古江はアメリカで通用する」と太鼓判を押していました。

タケ でしょ(笑)。あれだけFWとUTが上手い選手はアメリカにもいないからね。新人賞を取った西郷真央も25年は期待したいね。2年目になるといろいろわかってくるだろうから。1年目は食事や移動などゴルフ以外のところで慣れるのに時間が必要だからね。

内藤 それって大きいですよね。アメリカの生活を楽しめるかどうか。マル(丸山茂樹)もアメリカでの生活を楽しんでいて、選手に溶け込んでいたから結果が出せたんだと思います。ニック・プライスとよく話したり、(セルヒオ・)ガルシアとも仲良かったですね。

――そういう意味では馬場咲希も24年は1年間、下部ツアーで戦いました。

内藤 それは重要ですよね。あとLPGAの出場権は得られませんでしたが、山口すず夏は下部のエプソンツアーの出場権を取りましたよね。彼女はようやく日本のプロテストにも合格して、よかったですね。一時はドライバーの調子を崩して苦労していましたが、夢を捨てず諦めずにやってきたからこその結果だと思います。

タケ 彼女は2015年、14歳のときに日本予選を勝ち抜き全米女子オープンに出場して話題になったけど、ずっとアメリカ主体で戦ってきて、24年に日本で4回目のプロテストでやっと合格。実力はあるのに時間がかかったけど、やっぱりプロテストの合格者が毎年20人くらいというのは少ないよね。

内藤 そう思います。20人というのは、かなり実力がある選手でもなかなか通らないです。

タケ 才能ある選手の芽を摘んでしまうかもしれないから、以前のように50人にすれば、ツアーでの競争も激しくなってレベルも上がると思うんだけどね。

TOTOジャパンの優勝も新たな海外進出ルート!

Qシリーズ以外にもツアーカードを得る方法がある。2021年の笹生優花は全米女子OP優勝でカードを得た。稲見萌寧と竹田麗央は日本開催のTOTOジャパンの優勝でカードを得た

週刊ゴルフダイジェスト2025年1月7・14日合併号より