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【スウィング研究】ジャスティン・ローズの“直ドラ”「右肩を常に高く保ち綺麗なレベルブローを実現」

フェアウェイやセミラフにある球をそのままドライバーで打ち抜く直ドラ。難しそうに感じるが、プロは試合でたびたびこのショットを見せる。今回は、今季のツアーで直ドラショットを披露した、ジャスティン・ローズ、岩井千怜、岩井明愛の3選手の技術を合田洋プロが解説。

PHOTO/Tadashi Anezaki

ジャスティン・ローズ 2013年全米オープン優勝、2016年リオ五輪の金メダリスト。日本ツアーでも2002年中日クラウンズで優勝。昨季は全米プロ6位タイ、全英オープン2位タイなど、44歳の今も実力は健在

解説/合田洋 1994年、国内メジャーの日本プロゴルフ選手権に優勝。ツアーを退いてからはレッスンプロの資格を取得、東京の八丁堀と茅場町で自ら主宰する「Gスタジオ」でレッスン活動を行いながらスウィングの研究を行っている

>>岩井千怜、岩井明愛の直ドラスウィングはこちら

左へのミスを防ぎつつ
距離を稼げる

今年の全英オープン最終日。ザンダー・シャウフェレと同組で優勝争いをするなか、スコアを伸ばしたい16番パー5の2打目でローズが披露。直ドラのメリットは2つあると合田洋プロ。

「ドライバーはティーアップした球を打つことを前提にしているため、特性上、直接地面から打つと左に引っかけることがなく、曲がるとしてもスライスだけなので、左へのミスを消すには有効です。また、球が上がらず、風の影響も受けにくい。ローズは基本に忠実なスウィンガーですが、左足のシェアリング(フォローで左足が開くように回転していく動き)をかかと中心に行うため、腰が止まって左のミスが起こることがあります。この場面では左へのミスを警戒しつつ、飛ばそうとしたのでしょう」

さらに、ローズは精度を高めるために普段とは違う要素も取り入れていると指摘。

「バックスウィングで若干右に体重をシフトしながらディップ(右股関節を後方に入れる動き)することで軸を真っすぐに保って切り返し、インパクト直前でも右肩が下がらず、綺麗なレベルブローで球をとらえられます。フォローまで右肩を高く保つことで入射角が一層安定、3Wと同じ感覚で打てるわけです。また、ティーショットよりもスタンスを広めにして、ボール位置をスタンスの中心側、通常より右に置き、重心もより低く保っています。一般的には、ボール位置を変えずスタンスを広くすると球は上がり、逆に狭くすると球は上がらなくなります。ローズはスタンスを広くして球を上げたいと考えていたはず。球を右寄りにセットしているのは、左右の体重移動が少なくても球にコンタクトしやすくなることと、球が左にあると体が流れやすくなり、腰もロックしやすくなるため、これも左へのミスを嫌ってのことでしょう。弾道が明確にイメージされているため、体が自然に反応したのだと思います。さすが世界のトップ選手です」

ジャスティン・ローズの直ドラスウィング

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週刊ゴルフダイジェスト2024年12月17日号より