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いま、なぜアジアンツアーが熱いのか?<後編>参戦中の生源寺龍憲を直撃「コースは日本のツアーよりもはるかに難しい」

日本から海外進出への道というと、欧米を目指す選手が多いが、今ひそかにアジアンツアーが注目を集めている! 参戦中の生源寺龍憲に話を聞いた

PHOTO/Hiroaki Arihara、Tadashi Anezaki、Getty Images

生源寺龍憲 しょうげんじ・たつのり。1998年生まれ。23年にABEMAツアーの賞金王となる。今年の東建ホームメイトカップは2位。現在、日本の賞金ランキング26位 ※データは11月6日現在

>>前編はこちら

コースは日本よりもはるかに難しい。
距離は長く、ラフは深く、グリーンは硬い

アジアンツアーのQTファイナルを2位で通過した生源寺龍憲。現在、アジアンツアー転戦中でインドネシアに滞在中の生源寺に話を聞いた。

――日本から海外というと、米国、欧州を考える選手が多いと思いますが、アジアンツアーを選んだ理由は何ですか?

生源寺 元々海外に出たいとは思っていました。欧米のツアーにくらべてアジアンツアーは距離的に
もレベル的にも行きやすいツアーなので、アジアンのQTに挑戦し、ファイナルで2位に入り、今年か
らアジアンに参戦しています。今までに行ったことがない新しい国に試合で行けるのは、楽しいです。

――アジアンツアーの環境はどうですか?

生源寺 アジアンツアーでは、朝、昼と食事が提供されるので待遇はすごくいいです。P・リードやS・ガルシアなど、LIVゴルフに移籍したメジャーチャンピオンたちも出場する高額賞金の試合、インターナショナルシリーズでは、食事の内容も一般の大会より充実していますね。練習環境でもアプローチ練習場が日本よりも広く、存分に練習できます。


――コースセッティングはどうですか?

生源寺 日本よりも難しいです。マレーシアやタイのコースは日本のコースよりも広くOBが少ないワイドなコースが多いです。アジア特有の突発的な雨が多いので、地面がぬかるんでいることが多く、「プリファードライ」になることもあります。コースの距離は長く、ラフは深く、グリーンが硬いコースも多いです。砲台グリーンみたいになっているグリーン周りの芝は短く刈られていていることが多いので、グリーンからボールがこぼれやすく、これがなかなか難しいです。

――日本のツアーとくらべて選手のレベルはどうですか?

生源寺 基本的に日本ツアーよりは飛ばす選手が多いと思います。アジアンツアーに出ている選手たち
の平均飛距離は300Yくらいだと思います。自分の感覚的に、「結構振っているな」と思っても10Yくらいはおいていかれてしまうことが多いので、選手たちはみんな飛ばしますね。

――どんな選手が参戦しているんですか?

生源寺 アジアンツアーに参戦する目的は人それぞれで、ヨーロッパツアーのシードを落とした選手も参戦していますし、LIVを目指している選手もいます。

――では最後に、今後の目標を聞かせてください。

生源寺 まずは、12月にあるランキング上位30名が参戦できる最終戦への出場と来季のシード権の獲得が目標です。アジアンツアーで一緒に回った選手は、それぞれの国から世界ランキングを稼ぎに来ている人もいたり、賞金を稼ぐためにLIVを目指している選手もいたりとアジアンツアーに参戦する目的は人ぞれぞれ。でも、基本的にみんな“世界”を見据えている人が多いです。新しいことに挑戦したい、という気概があれば、転戦はとても楽しくて、アジアンツアーのその先でも活躍できると思います。現在、インターナショナルシリーズ1位のJ・キャトリンは、QTファイナルで一緒に回りました。ツアー参戦初年度でそこまで活躍している選手もいるので、私もインターナショナルシリーズランキングのトップを目指しつつ、来年は欧州ツアーのQTにも挑戦したいと思っています。

アジアンツアーってどんなとこ?

「世界への足掛かりとなるようなツアー。ここから選手は多方面へ羽ばたいていく」

驚いたこと

「飛ばす選手が多いので300Yの飛距離がないと戦えない」

<生源寺龍憲の2024年アジアンツアー全成績>

●アジアンツアーポイントランキング:46位
●インターナショナルシリーズランキング:58位

LIVへの道は開けたが……
賞金王の全英OPへの出場資格がなくなった!

アジアンツアーの賞金ランク1位の選手には2021 年まで全英オープンへの出場権が与えられたのだが、現在は廃止された

週刊ゴルフダイジェスト2024年11月26日号より