【江連忠のPROJECT E】Vol.254 陳清波「“非の打ち所がないスウィング”とはまさにこのこと」
片山晋呉や上田桃子など、数多くのトッププロを世に送り出してきた江連忠が、自身の経験をもとに、レジェンドのスウィングに宿った“本質”を語る!
TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa THANKS/オーシャンリンクス宮古島
●今月のレジェンド●
陳 清波
1931年台湾生まれ。台湾でプロになり1959年からは日本在住。数々のタイトルを獲得しマスターズには6年連続出場。「アジアのベン・ホーガン」と呼ばれた
永久保存して
目に焼き付けるべき
陳さんといえば“ダウンブローの神様”と称されていますが、ドライバーは理にかなったレベルブロー。
そしてどのコマを見てもすべての体の部位、関節やクラブの位置が、あるべきところにある「ゼロポジション」で、欠点が見当たらない最高級のスウィングです。
自然体のアドレス、肩はしっかり回っているのに腕の位置はコントロール下にあるトップ、左へシフトしながらも右足が地面をつかんでいて手の位置が低いダウンスウィングなど、ほれぼれします。
そして下半身は攻めて上半身は守り、グリップが完璧にアドレス位置に戻っているインパクト、背中を大きく使っているフォローからフィニッシュまで、解説し切れないほど見どころが満載です。
全体の動きでいうと、力強くてダイナミックなのに滑らかさもあるところが非凡の才能。
強さと柔らかさを共存させられる人は、速く振れば振るほどスウィングが良くなるという特性があります。
ベン・ホーガンや全盛期のタイガー・ウッズと通じるものがあり、スウィング史上に残る貴重なゴルファーだと思います。
ダウンスウィングで左肩が丸くて低い
最初から最後まで全部参考にするべきだが、とくに見習うべきがダウンスウィングの左肩。アマチュアは左肩が高くて四角くなるため上体が浮くしパワーが逃げる。低くて丸い左肩は強くて正確なインパクトの条件になる
陳清波の系譜を継ぐのはこの選手
今平周吾
ポジションの良さと重心の低さは近いものがある
全部が似ているわけではないが、スウィング中の重心の低さや切れ味の良さが特徴的。クラブの動き、ポジションの良さも近いと言える
江連忠
1968年生まれ。東京都出身。高校を卒業して渡米し、ミニツアーを転戦しながらジム・マクリーンに師事したのち帰国。日本のプロコーチ第一人者となり、片山晋呉や上田桃子を賞金王に育て上げた
月刊ゴルフダイジェスト2024年12月号より