【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.203「小技も上手い竹田さん」
高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。
PHOTO/Hiroyuki Okazawa
TOTOジャパンクラシックで竹田麗央さんが優勝しましたね。これで今季8勝ですから、まあ今シーズンのランキング女王は間違いないでしょう。すでに昨年、ここで僕は、「竹田麗央は近い将来、賞金女王になる」とお話ししました。
理由はまず、あのスウィングです。そらもう彼女のクラブの振りは、他の選手と全然違いましたから。昨年の段階で、この子は絶対にツアーで勝つなと思いましたね。
実際、昨年も優勝争いして惜しかった試合はありましたからね。もうモノが違う。そして彼女は小技が上手い。バンカーとかアプローチの繊細なものの感覚がすごく出ています。
今シーズン前のオフにショートゲームの練習を徹底的にやったそうですが、それもよかった。パッティングももちろん、あれだけの結果が出ているから上手いんやけれど、ただ合うグリーン合わんグリーンとか、そういうんはあるでしょうから、その点は今後の経験でしょう。
あと、彼女は今シーズンは休まんとフル出場みたいですけど、女子ツアーはスケジュールがハードやからね。試合が長く続いたあたりで2度ほど予選落ちもあるみたいやし、ちょっと休みを入れたほうがエエんとちゃうかな思いますけどね。
メンテナンスで体整えて、モチベーションを上げた状態で試合に出ればいい思います。
竹田さんはこれで来季は米女子ツアーへの参戦が決定的でしょう。12月5日からの最終予選会に山下美夢有さん、岩井姉妹、原英莉花さん、山口すず夏さん、馬場咲希さんらが挑むいうことです。この中から何人が突破できるかわからんけど、まあこれから起こるんが、人気トッププロの流出、国内ツアーの空洞化をどうすんねんという騒ぎですが、いつまでも何を言うとんやと思いますわ。
ゴルフのツアー自体、国を超えたグローバル化が進んでいて、それで何年も前から世界に通用する選手の育成のために女子ツアーは4日間競技を増やすとか距離を伸ばすとかやってきたわけですよ。
だから世界に出て当たり前。女子は次から次へと若い有望な選手が出てきているこの状況こそ、実力者が世界に出ていく絶好のチャンスやと思います。
「女子プロもグローバル化が進んで、世界に出て当たり前の時代ですね」
奥田靖己
おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する
週刊ゴルフダイジェスト2024年11月26日号より