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【スウィング研究】シェフラー、シャウフェレ、デシャンボー メジャー覇者3人の共通点は“左わき支点”だった

マスターズを制したS・シェフラー、全米プロと全英オープンを制したX・シャウフェレ、全米オープンを制したB・デシャンボー……三者三様に見えるスウィングだが、「左わき支点」という点が共通していると柳橋章徳コーチは言う。3人のメジャー覇者のスウィングをじっくり見ていこう。

解説/柳橋章徳
PHOTO/Blue Sky Photos、Tadashi Anezaki

スコッティ・シェフラー(左)……1996年生まれ。マスターズでは自身2度目の優勝を挙げ、今季すでに6勝と安定感抜群。世界ランク1位。パリ五輪金メダリスト
ザンダー・シャウフェレ(中)……1993年生まれ。全米プロでメジャー初優勝を挙げた勢いそのまま、全英オープンも制した。東京五輪では金メダルも獲得。世界ランク2位
ブライソン・デシャンボー(右)……1993年生まれ。22年にLIVゴルフに移籍し、LIVでは2勝を挙げる。全米オープンでは20年以来2度目の優勝 ※データは8月6日現在

左わき支点だから飛んで曲がらない

3人の共通点は左わきの使い方で、3人とも左わきを支点にした腕の振り子運動でスウィングをしています。アドレスで作った左わきの位置がインパクトでもほぼ変わらないのがその証拠。体が伸び上がったり、左右の軸ブレが起きたりすると、左わきの支点はブレてしまいますが、それがほぼないのが素晴らしいです。

左わきを支点にスウィングするメリットは2つ。1つ目は、軌道が安定すること。毎回同じ軌道を描けるのでスウィングプレーンが安定し、再現性が高くなるので曲がりにくくなります。

2つ目は、スウィングアークが大きくなり飛距離を出せること。左わきを支点に振り子運動ができると、クラブを遠いところに下ろすための、グリップエンド側を引き続ける動きが可能になります。この動きができると、自然とスウィングアークも大きくなり、遠心力が生かせ、エネルギーを余すことなくボールに伝えられるんです。


骨盤の高さが変わらない
3人ともスウィング中、常に右腰の骨盤の高さが変わらないから、効率良く地面を踏めていて、エネルギーが逃げることなく打てている

ザンダー・シャウフェレの1Wスウィング

右手首の角度がずっと変わらない
「切り返しからの右手のひじと手首の角度がインパクト以降も変わらないのが特徴。円弧の延長線上にずっとクラブを引っ張り続けられていて超効率のいいスウィング。また動きが静かでエネルギーの逃げが一切ない」

スコッティ・シェフラーの1Wスウィング

動きすぎに見えて大事なところは動いていない
「胸椎と骨盤の位置関係がスウィング中ほとんどズレず、インパクトの再現性が高い。足を見ると体が動きすぎているように見えるが、動いてはいけないところは動かしてないので実はシンプルなスウィング」

ブライソン・デシャンボーの1Wスウィング

再現性の高いノーコックスウィング
「アドレスで左手の甲をターゲット方向に向けてフェース面と一致させ、そこでフェースコントロールをしている。インパクト後でも左手の甲は目標に向けたまま。クラブに仕事させるより自分の力で飛ばすタイプ」

月刊ゴルフダイジェスト2024年10月号より